第1話
初バイトと言っても、私はただ店の一隅に置いてあるソファーに座らせた。その一方で、彼女はまた何かの手作業をし始めた。箸で溶き卵をかき混ぜている様子だけど、なんか淡い甘さがしている。
「別に携帯を触ってもええよ、客と店主が来るまでに。ぼんやり座りなんって、本当にキモイ。」
「さっきからずっと聞きたいですが…...ご芳名は?」ついにこの質問が口から出した。
「リン、シ、ケイ。リンはハヤシ、シはえだ、ケイはめぐみの頭に草がある。林枝蕙~」意外に全部教えた。
「やはり、林さんは中国からの方ですね!」
さっと、空気の中にヤバイ気配がカウンターから蔓延してくる。でも、次の瞬間で突然消えた。残しているのは彼女の微笑だけ。
「確かに同じ言語を使っていますが、こっちの出身地は台湾です。」まるで何も発生しなかったように、彼女は仕事をし続いている。
「そうか……すみませんでした。」とはいえ、いつも両親に台湾は中国の一部としっかり覚えなさいと教えられたから……しかし、この時点で彼女の気持ちも無視できない。
政治って、本当につまらないもんや。邪悪な宇宙人さえいなければ、この蒼い星の住民たちは永遠に団結できないでしょう。
「あのー、漢方の中にもそのような美味いものがありますか?」やはり話題を変えた方がいい。
「これか?食べたい?」
「えっ?本当にいいですか?」
「一口なら、別に構わない。」林さんはさっきの春聯を持ち、こちらへ移動し、そして碗とを私に渡した。
「おおきに!」外見を見て、お粥と似たようなものだ。でも、より透明感がある。
おおおおぉぉぉ、この甘さ、この粘っこい食感!
「オッケー、新入り、ミッションワン来たぞ。」同時に、私は太筆と三つの春節紙を給付された。「知ってるでしょう?貼り方。」
突然の使命で一瞬驚いたが、そもそもこれは確かなバイト時間だ。
「すみません、接着剤はあります?」
「さっきの美味しいやつ、それ。」
「こ?れ?」
「そそそっ、それ、使って。」少女は無邪気な笑顔をしている。「ちなみに、粘り補足のために、ちょっとだけのりを入れたが、心配しないで。」
さすがに専門家や、この方法。しかも毒性もないし、効力もいい。
って、全然こういうもんじゃねんよ!信じられない、かわいい外見の正体はこんな意地悪い女?確かに彼女はただ私の要求を満足させただけ。でも、これからもっと警備しなければ、またいつか……
まぁいいか。外に出ると、私の注意力は全部これらの複雑な漢字にそらせた。『鸞鳥鳴風拂吉地』『蟠龍臥雲籠福宅』『百無禁忌』結構、綺麗に書いてあるね、さすが漢字の国から来たやつ。
「神鳥は風起こして大地を拂い、蟠龍は雲に伏せて家を覆う。なかなかいいね、林さんがこれを創作したの?」
「ホーー、アホかわいいのに、漢語さえできる。」まるで私の博聞強記は無駄なことであり、彼女を失望させたように。
「じゃあね、左右の間違いはしないで」少女は背伸びして、店内に戻った。
「筆は全然洗ってねんじゃん!」
まぁいいか。もう慣れた。この機会で、ちょうどこれらの透かし彫りを研究するわ!
和風の引き戸とちょっとした区別があるけど、自動ドアの構造だから、実際動作しているのは中央の二つだけ。両側のやつは見た目で開けられそうが、今は完全に閉鎖されている。合計四匹、漆黒の霊獣は各門扉に主要な紋様として存在感を示している。左側から、メインな特徴は無角、独角、二角、三匹の狛犬みたいな生物と、最後にまったく相容れない一匹の狐。しかも、この滑稽な可哀そうなやつは尾が一本もない、まさか正真正銘の無尾狐。
以前貼った春聯の痕跡まだ一部残しているので、そのおかげで、私の仕事もラピッドにオーバーした。
あぁぁぁ、寒!速く店内に戻りたい……と思って、正面へ接近すると、またあの不快な強風が吹いてきた。これは一体何?気場?絶対、出所はあの悪女!
「はっや……お疲れ。邪魔しないように、客と店主が来る前に、そこに座ってください。」
私は感動されて、ソファーに戻った。まぁいいか、携帯遊びで給料をもらえるバイトなんって、どこにもないよ。これ以上の文句を言っちゃったら、悪女に殺されるかも…...中国人こわーっ!
大量の仏具と薬材専用の引き出し収納棚はこの空間の大半を占めた。意外にこの一隅のソファーと共に、漫画専用のブックシェルフがあると、さっきついに気づいた。『幽遊白書』から、『地獄先生』や『滑瓢の孫』や『物語』などの作品、全セットで収蔵されている。中国人作者の作品もあるらしいが、『我当鳥人的那几年』のような可笑しいタイトルが付いて、まったくわけ分からない。しかもこれは小説じゃん!
とはいえ、チャイ語の勉強になれるかもしれないと思って、私はこいつを読みし始めた。
まるでお茶の色のように、アズ~ザ~タイム~フライズ~、店内の光線がどんどん暗い黄色になってきた。思わずに携帯を出した。
えっ?いつの間に、もう九時半なの?!この邪悪な小説、あ~~本当にヤバイ......まさか不注意で前作まで読んちゃった!
林枝蕙さん、違う、正確に、林死刑さんはいつものように、また何かの手工芸をしている。赤い糸?と……何それ......その数の五円玉……あいつはもしかしてコンビニのバイトもしているの?一体どこからそれ全部集めてきた……
「えっと、すみません、店内にはトイレがありますか?」騙される可能性があるが、私はもう一度彼女に信頼をあげて欲しい。
「店の奥にあるけど、この時間は使えない。ごめんね、隣の店に行きなさい。」少女の声、まるで何百年の間に聞こえたことないように。
この数時間に客は一人でも来なかった。
「マジで?」と言っても、私は彼女の指示に従って、隣のコンビニに行った。
って、違うよ、もう帰宅の時間だぜ!お腹が空いた……弁当を食って帰るか。でも彼女も何も食べていないでしょう。確かに意地悪い女だけど、とにもかくにも私の先輩である。
まぁいいか。しょせん小遣い、向こうに本心で優しくしてあげるなら、きっと職場の雰囲気もどうにか改善できる。っと私はこう思って、快楽の気持ちで福生堂へ戻った。
意外に、福生堂の前には一台の発動中のタクシーが待っている。
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