第29話 15年目の朝

 朝の光の中で見る彼女の寝顔。

 少女の頃の面影が、いつもボクをドキドキさせる。

 飽かず、じっと見つめていると、

「……何してるのぉ?」

 あくびをしながら、彼女は目を開けて、ボクを見る、

「キミに見惚れてる」

 言ってやると、彼女は少し笑ったあとに、しかめ面。

「もうおばさんでしょ」

「そんなことないよ」

「あるわよぅ」

「かもね、しわも増えたし」

「なんですって!」

 ムッとした彼女の顔も見たいボクは、いつまでもあの時のまま。

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