第28話 うぬぼれの代償

 夏休みが終わり久しぶりの学校。

 教室に見慣れない女の子。

「おはよう」

 かけられた声に、ぼくは首をかしげる。

 彼女が苦笑して名前を言うと、

「ええっ!」

 眼鏡とお下げ髪の目立たない子だったはず。

 ぼくはどきまぎして、

「カレシでもできたの?」

 コンタクトとショートカットの彼女に軽口を飛ばす。

 彼女は頬を染めてうなずく。

 その温かな笑顔に、ぼくの心は凍りつく。

 本当にバカげた考え。

 彼女のいい所が分かるのは自分だけだなんて。

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