第23話 思い出の人は今
黄葉の下の立ち姿が綺麗すぎて、
思わずファインダーに収めたあの日から三度目の秋がめぐり、
「またその写真見てるのか?」
彼の呆れた声を聞く。
「そんな男は忘れろ」
わたしは首を横に振る。
本気で好きだったんだ。
「……10キロなんてひどいよ」
「幸せだからじゃないか?」
「わたしの幸せ返してよぉ」
「お前だって3キロ――」
わたしは彼の口を押さえて、
「口を開くなら愛の言葉にして」
「好きだよ」
「わたしもよ、でもやせてね」
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