第22話 雪の日の想い

 雪が嫌いだった。

 寒いし、車の運転に神経を使う。

「わたしは好きだな」

 彼女が言って、雪の上を踊るように歩く。

 案の定転びそうになり、ぼくは手を伸ばした。

「こうして、いつもより余計に気にかけてもらえるからね」

 ホッとした顔で、それでも出てくる強がり。

 そんな彼女に呆れながら、雪が好きになる自分にもっと呆れた。

 手を握った二人の前に雪が降っていた。

 今、ぼく一人の前にも雪は降って、降るたびに、彼女への思いが積もる。

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