第21話 つないで行く先

 思い出す、小学校への登校班。

 いつもわたしの手を引いてくれてたお兄ちゃん。

「あの時からわたしのこと好きだった?」

 目の前の彼に訊くと、

「さあ、どうだったかな」

 笑って答えず。

「言いなさいよ」

 小声で続けるわたし。

 その近くから咳払いの声。

 舌を出したわたしに微笑んだ彼、わたしの左手をそっと取る。

 まるで壊れ物のように。

 薬指に美しい金属の輪が現れるのを見たわたし。

 今度は自分も彼の手を引くんだと、誓いを新たにする。

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