第24話 離れていても

 窓の外の光は降り積もった雪の白さだった。

 静かな夜。

 見とれたわたしは、

――あの人のところでも積もってるといいな。

 ふと思う。

 そうして思わず笑った。

 まず彼のことを考えてしまうのが我ながら律儀だ。

 いいカノジョ。

 その厚かましさにもう一度笑ったわたし。

 急に声が聞きたくなって電話してみると、

「こっちは晴れてて月がキレイだ。キミに見せたいな」

 と真面目な声がする。

 離れていても想いは同じ。

 わたしは窓から空を見上げた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る