第11話 相合い傘
空を見上げる彼女
その横で立ち尽くす僕。
こんなときに限って水玉の折りたたみ。
やみそうな小雨も心をくじく。
――今のままでいいだろ……。
聞こえるなじみの声。
幾度の後悔を生んだ声だ。
下校のベルが鳴り響いて、彼女は外へ。
足元を気にしながら、切れた雲の下、じゃあねと笑った。
雨上がり、下を向く僕が気がついたこと。
晴れの時こそ、一緒にいたいんだってこと。
駆け寄った僕、硬い柄の代わり、握ったのは、柔らかな彼女の手。
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