第8話 もう一人の彼女

「このわたしより可愛いって言うの!?」

 昼下がりに響く、彼女の怒声。

 うなずいたぼくに、

「ロリコンじゃんか!」

 と彼女。

「ロリコン?」

「そーよ、五つも下なのに!」

 五つくらいの年の差なんかそう大したことはない。

「犯罪者!」

「高校生だから、そういうことになっちゃうのかな」

「……どっちが好きなの?」

 吹き出すのをこらえたぼく。

 不安そうな顔をする彼女。

 見下ろしたアルバムの中、制服に身を包んだ同じ彼女が笑っている。

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