第6話 プリン強奪の目的

 とがらせたキミの唇に口づけてみる。

「せめて香りだけでもと思って」

 言うと、

「こんなんじゃだまされない」

 むっとした目のキミに、

「謝るよ。次からはもうしない」

「前にもそう言ったでしょ。なんで食べちゃうかな」

「なんでだろ」

「所有権って言葉知ってる?」

「キミがボクのものだって、そういうこと?」

「誰が誰のものだって? 逆はあってもその逆は無いからね」

 このやりとりのためだって言ったら、キミはどんな顔をするだろう。

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