第5話 緊急コールの理由

「今すぐ来て!」

 切羽詰まった声の彼女の電話。

 駆けつけると、トイレ詰まりを直せ、という依頼。

 心底げんなりしたその翌日に全く同じ文言で呼び出される。

「今度は何を直して欲しいんだ?」

 彼女の部屋に上がりながら訊くと、

「分からない?」

 彼女が言う。

 首をひねるオレに、彼女は自分の胸を指差して、にこり。

「一日会えなくて寂しかった」

 その花顔についくらりとしたオレが、彼女を抱きしめると、

「あとパソコンの調子も悪いの」

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