#023:絶唱かっ(あるいは、こんなオープニングテーマもイヤや!)
●溜王国国歌 ~第二章
(セリフ)「とんでもないような事が、日常だったと思う……」
デュルルンルンルン デュルルンルンルン
デュルルンルンルンルンルン(ゲシュタルト崩壊)
はつかしい匂いがした 栗の花時計
口笛は何故 うまく吹こうとすればするほど
キツい顔になるの
ダメと堕ち ダメと消えにし わかみかな
埴輪のことも 土偶のことも
見下げ果てたら エルセブン エンド シームーン
C’mooooooooon e C’moooooooooon!!
煩悩の数だけ 豆を喰らえば
これは縁起モノなのだと 自分を納得させる
それは きっと 欺瞞なんじゃなーいかなー
でも ランララー ランララ―
進軍? 進軍! クレームブリュレス
うん! 忘れーないよー尾道
小野ヤスシとあーるーいたー
(セリフ)「……どうして現場で事件が起こるんだっっ!!(根★源」
わ×た×し×は ダメの子ですっ
な×ま×え×は 言えないですっ
郷に入らずんば 郷児を得ずなんて 言わせないし
言われても 意味は わからないし
助けてよ浦安 巡り来てランダンシー
僕らのク↓ラ↑ブの以下省略
省略 省略 以下省略
いずれにしても ダメはダメ
拡大解釈 それもダメ
(独唱)「もののー五分だけー、もののー二分だけー(切★実」
次元の狭間に そそり立つ
轟け 我らの溜沢小
……コケそうになるのを幾度となく堪えなければなりませんでしたの。
長いですわ。それに意味不明にも程がありますのよ。
周りの方々は姿勢を正したまま、厳かに歌声を響かせていましたけれども。何だっつーのよ、この異世界は。私やっぱり召されて転生した類いの王道体験をしてたんじゃあないの?
と、ショックのあまり、思わず私の中のケダモノのようなもう一人の自分が出てきそうになってしまいますけれども。いけませんわいけませんわ。ケダモノいけませんわ。
度し難いその「国歌」が、無駄に思えるほどに長い余韻を持ってようやく終わり、照明を落とされていた場内が、徐々に明るくなってきますの。
周囲を巡る観客席から一段下がった所に私たちはいるのですけれど、足元はがっちりと撞き固められた土なのですわ。土俵? のような見た目……さすがは国技館ですの。
土製のフィールドはほぼ円形でしょうか、その中央付近にいる私がぐるりを見渡すと、外周から一回り小さい円周上に、「1」から「8」までが大書された、アクリル製と思われる仕切り板で四方を囲まれた巨大なブースのようなものが目に入りますの。
「あの中が、対局場だ。とりあえず大幅な変更は無さそうなんで安心したぜ。あとは……まあ、頑張ってくれよぉ、ねえさん」
いつの間にか私の隣にやって来ていたアオナギさんが、何というか諦観と言いますか、懇願と申しましょうか、そんな微妙な目つき顔つきでおっしゃられますけれど。
心配ないですわっ、とばかりに、精一杯の可愛らしい笑顔で小首を傾げて見せますのよ。でもアオナギさんも、その後ろにいた丸男さんも、私のスマイルを見た瞬間、ガタガタ震え出しますの。どうしたというのでしょう?
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