第16話 指名手配

「よし!行くぜ!」

「行きますぞ!」

二人は新たな宝石巨人ゲーターオーで煙突の怪人と真っ向勝負。

「人型になったところで、所詮は虚仮威しだ!」

煙突の怪人は頭の煙突から火の玉を放ちゲーターオーにお見舞いする。

「ワニ!」

効かぬわー!とゲーターオーは右のラプトバンカー弾き飛ばし煙突の穴に放り込んだ。

ドカンと煙突は爆発し怪人は倒れた。

「ぐっ!ふざけやがて!」

煙突の怪人はやけくそになり体当たりしてきた。

「ワーニー!」

がぶっちょ!

「ぎゃあーーー!いたたたた!」

真ん中のデイノスクスの頭が上がり煙突の怪人の頭に噛み付いた。

うわ、痛そう…血がでてる…

「凄い!一方的に相手を振り回すとは!」

「あのワニすげぇなルビティラ!」

「ティラ!」

俺も噛むぬは負けてない!ワニとティラノサウルスじゃ違うから。

「よそ見と余裕だな!」

カズは剣をふりかざす。

「ティラ!」

がぶっちょ!

ルビティラは剣に噛み付いた。

「あ、テメェ離せ!」

ルビティラは離さんと剣に食らいつく。

「確かに負けてないな!ルビティラ!」

噛む力はやっぱり恐竜だな!

「ルーガル決めるぞ!」

「行きますぞ!」

二人は宝救剣を構える。

ゲーターオーは噛み付いたまま怪人を上へほうり上げた。

次にゲーターオーは左のステゴアローを展開し構えるとラプトルバンカーを弓矢の様に構えるとエネルギーを集める。

「ゲーターオー!ストライクバンカーフィニッシュ!」

「まだ活躍してないのにー!」

ゲーターオーの放った矢が怪人を貫き空中で爆死した。

「よっしゃ!勝ったぞ!」

「我輩達の勝利だ!」

ゲーターオーは勝利のポーズを決めた。

「ち、使えませんわね!」

アイカは爪を噛む。

「よし!このまま逃げるぞ!」

「ワニ殿皆を!」

ゲーターオーはしゃがみ手を差し伸べる。

「ルビティラ逃げるぞ!」

「ティラ!」

逃げろや逃げろ!とゲーターオーの右手に飛び込む。

「リア行くぞ!」

「はい!」

「まて、逃げんのか!」

「当たり前だろ!ここには用はねえ!」

「テメェ!待ちやがれ!」

皆を抱えてゲーターオーはガネット王国の城壁を飛び越え国を脱出した。

「くそ!逃げられたか!」

「あのワニめ、チートを隠していたなんて!」

「あいつら必ず息の根を止めてやる!」

先代勇者達は初めての屈辱を味わった。

:

涼達はデイノニクスが運んでくれた為ガネットから離れて西の方へいた。

「サンキューな!」

「ワニ!」

デイノスクスも小さくなっていたが、大きさが子供のワニくらいだ充分デカイ。

ルビティラより小さいが。

「小さくなっても結構デカイなおい」

「ワニ!」

流石にワシも疲れたぞ!年寄りくさいなこいつ。

「ありがとうなワニ爺!」

「ワニ!?」

ダサい呼び名をつけるな戯け!ってアンタもダサいいうか…

「じゃあ、ガーネットゲーター!」

「ワニ!」

ワシは古代ワニのデイノスクスだ!子孫をつけるな!後ダサい!って五月蝿いなこいつ、ワニ爺でいいや…

「ワニ爺何で城下町に現れたんだ?」

「ワニ…」

まあいいだろ…それは…

「それは?」

「ワニ」

出るとこ間違えただけじゃ!はっ!?出るとこ間違えただけかい!

「間違えたってアンタ年寄りかよ…」

「ワニ!」

まあワシは宝石獣の中じゃ古いからな!ってそうか先代勇者のパートナーだったもんな。

「ワニ、ワニ!」

それにワシら宝石獣はむやみに人間族を傷つけてはならぬと決まっているからな!て、絶対嘘だろ!俺達を吹っ飛ばしたくせに!忘れてないからなリザードマンの村の件!

「だから街中で激しく戦わなかったのか」

「ワニ爺さん優しいんですね!」

「ワニ〜」

照れるじゃないか〜お嬢ちゃんってやっぱ爺さんだなこのワニ。

「さて、これからどうすんだ?王都が魔人族と繋がってると分かった以上拠点は無理だぞ!」

確かにコハクの言う通りだな、まさか魔人族があの国を後ろ盾にしてるとわな…

「このままじゃ、資金も底がつく一方です」

「我輩達には宝救剣以外で戦うすべもありませんぞ!そこも課題かと」

「魔法の一つでも覚えられればな…」

現にあの馬鹿勇者共は使えていたんだ。それが自力か何かの力かゲームで言う所のスキルかまるでわからん。

「まずは拠点だなやっぱ」

「カイアナスへ行ってみるか!」

「カイアナス?」

「西の港町だ!あそこなら勇者に好意的かもしれないな!」

「カイアナスは亜人も他の種族もいる港町ですから!」

確かに俺達みたいな変な戦隊にはいい町かもしれないな!

「決まりだな!」

「ワニ!」

他の宝石獣達も見つけないとな!え!?まだいるのかルビティラ達の仲間が!

「ワニ爺今の話本当か?」

「ワニ!」

ああ、まだ宝石獣達は残っておる!ルビティラ達以外の宝石獣か…確かにアイツらに奪われる訳にはいかないな。

ワニ爺の話では魔人族から逃れた宝石獣は自分を含めてまだいるらしく、あっちこっちに結晶化して眠っているらしい。

「ワニ??」

だが何処に逃げたかまでは分からん?って意味無いじゃんかよ!

「手掛かりとかないのですか?ワニ爺殿?」

「ワニ〜!」

確か西の樹海にまだ眠っていない宝石獣がいたな〜一匹だけかよ…

「西の樹海はこのまま行けば数日だ!」

「どんな宝石獣なんですか?」

「ワニ!」

虫だ!え虫?虫じゃ宝石獣じゃなくて宝石虫じゃないのか?

「そいつの名前は?」

「ワニ〜!」

宝石虫サイカチムシだ!は?なんだそりゃ?サイカチムシ何て聞いたこともないぞ。

「サイカチムシ???」

「あーサイカチムシか!」

「あのデカイ虫か!」

「立派な虫ですからな〜」

「ですね男の子はみんな好きで」

えーみんな知ってるのか!?この世界のリーズナブルな虫なのか?

「なんだよサイカチムシって?」

「ワニ〜」

サイカチムシはサイカチムシだ!だから判らないっての!!

「ワニ!」

奴は琥珀の宝石獣だ!樹液を探せば手掛かりがあるはずだ!樹液ってますます虫だな。琥珀って樹液が硬化した物だよな。中に虫が入ってる石。

「とにかくまずは西の樹海を目指して宝石獣を探そう!」

「ルビティラ!西を目指してくれ!」

「ティラ!」

ガッテン!ルビティラは馬車を引き西を目指して出発する。まずは西の樹海で宝石虫サイカチムシを探す事にした!

サイカチムシって結局なんなんだ?

:

その頃王都では。

「あの賊どもを逃したか…」

「申し訳ありません陛下、私がいながら」

「いやアイカお前は悪くない!」

国王は姪に優しく言う。

「あのワニも盗賊共の宝石獣かと」

「あやつら我が国を陥れた罪必ず償わせてやる!」

国王は玉座から立ち上がる。

「今この時より、奴らホウキュウジャーを国家反逆罪として指名手配する!」

こうして涼達は指名手配犯になってしまった。




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