第15話 誕生ゲーターオー!
俺達は牢屋を脱獄すると城の外へと走る。
先陣は変身している二人に任せている。
俺達は今宝救剣がない為戦えないからだ。魔法でも使えればな。
「賊共止まれ!」
城の見張りの兵士達が集まり槍や剣を構えている。
「邪魔だどけや!」
「はい邪魔!」
しかし宝救剣には及ばない。
二人は兵士達を簡単に蹴散らしてしまった。
兵士が弱すぎだろ…
あらかた片付けると俺達は城を脱出し外へ出た。
「あのワニだ!」
「ああ!ルビティラちゃん達が!」
リアの指先のホウキュウオーはぎこちない動きで必死に攻撃に耐えている。
さっきより敵兵が増えてるじゃねーか!
ワニは煙突の魔人と葛藤してるし!
実は人型形態はかなり負担がかかるのだ。何せ合わないパズルを無理やりくっつけているような状況だ。今まではパートナーがシンクロで本体を動かす事で宝石獣達は形を保つ事に専念出来るから負担は減るが、その両方を宝石獣達だけでやるため負担が大きく彼らだけでは15分位しか人型を保てないのだ。
「まずいなもうすぐ15分経つぞ!」
今合体が解除されたら馬鹿勇者共に捕まっちまう!
「ルビティラ!今行くぞ!」
「変身出来ないでいくのか!」
「そうですよ!」
「でもルビティラが!」
俺の相棒がヤバいんだ!
「アイツは頭固いしチョロいしいちいち五月蝿いけど…でも俺はアイツが大好きだ!ルビティラは誰よりも俺を信じてくれてるだから行かしてくれ!」
「焦るな涼!まずは宝救剣だ!ルーガル、オニステ達を向かわせるぞ!」
「ガッテンですぞ!」
「オニステ行け!」
「頼むぞエルトル!」
二人は相棒の宝石獣を空へ投げると二匹は巨大化し元の大きさに戻る。
「テゴォ!」
いーくーぞ!
「ギャオ!」
たく、しゃあねえな!お先!
エルトルは先に飛び出して巨大化した敵兵を尻尾で貫き蹴散らす。
「テゴォ!」
おーれーもー!
オニステは後ろを向き背中を広げると鰭が弓に変わりそこから弓矢を放つ。
2体が巨大化した敵兵を全て蹴散らした。
「ティラ…」
時間切れだ…
間一髪でホウキュウオーがバラけて元の三体の宝石獣に戻ってしまった。
「ティラ…」
いててと言いながら立ち上がるルビティラ達、しかし相当負担がかかったのか倒れてしまい小さくなってしまった。
「ルビティラ!」
「マリケラ!」
「パッキー!」
三人はルビティラ達に駆け寄る。
「大丈夫か!ルビティラ」
「ティラ…」
こっちのセリフだ馬鹿野郎ってこいつは!
「ケラ…」
すまないご主人…お前は悪くないよ!
「パッキー」
疲れた…お疲れ様パッキー!
リアは手のひらサイズになったパッキーを拾い上げ撫でた。
「犯罪者共どうやって逃げ出したんですの?」
ルビティラ達を追いかけていたアイカ達は涼達を見つけると兵士達で取り囲む。
「そこの二人!アイカの勇者の剣を返して貰おうか?」
「魔物には過ぎたレアアイテムだ、こっちによこせ!」
「渡せば命は助けますよ!」
先代勇者達は完全に俺達が悪人と決めつけている。
「これは我輩達の剣だ!我輩達が勇者に選ばれた証だ!」
「前の戦いで役目を放棄して寝返った奴の言う事聞くわけないだろ。馬鹿勇者共!」
はっきり言ってやらあ!この馬鹿勇者共に!
「馬鹿勇者だと!偽勇者がデタラメ言うんじゃね!」
「貴方方は偽物なんです!僕達のアイテムを返して下さい!」
「偽勇者にはこの剣は必要ないだろ!」
「偽物はお前らだ!」
「なんだと?」
そうだ、偽物だお前らなんか!
「本当の勇者はな他人を貶めたり、平気で生き物を殺して担ぎ上げの道具になんかしない!」
「生き物?魔物を倒して素材を使い強い道具を作る。当然の欲求じゃないですか!」
ここまで話してゲーム扱い…最低だなこいつら。
「違う!ここはお前の言う仮想現実じゃねぇ!人がいて色んな種族と生き物がいる、世界は違えど現実なんだ!」
「あ?熱中しすぎて頭がおかしくなったか?」
「救いようのないゲーム脳だな」
それはお前らだ!こいつらの目にはどう見えているんだ?
「成る程な宝石獣達がお前らを見放したのも分かる。お前ら全然現実を見ようとしてない!価値観に囚われて身勝手してるだけの迷惑なガキだ!」
「なんだと!俺達が身勝手だと!」
カズが剣を引き抜く。
「身勝手です!」
「役目を放棄して宝石獣達を飾り物にするは、挙句に魔人族に加担」
「人をどんだけ泣かせれば気がすむ!」
「俺達は確かに魔物だ、けど魔物も意思があるお前らの都合で殺されていいわけねえ!」
「全てが悪いわけじゃないんだ!いい奴もあいる、だからみんなは勇者に選ばれたんだ!」
確かにこんな戦隊は見た事ないがでも悪くない!
「人間をいいと思える奴らはな、ヒーローの戦隊の素質がある。だから産まれなんか関係ない、俺達は戦隊だ!」
涼の言葉で先代勇者達に奪われた宝救剣は輝き彼らの手から消え涼達手に戻った。
「な、なんだと!?」
「俺達じゃなくてあんな奴らを持ち主に選ぶのかよ!」
「何かのエラーですかね?」
「これは何かの間違いよ!化け物が勇者の剣に認められるなんて何かのトリックよ!」
現に見といて何を抜かすかこの女は!
「負け惜しみは後で聞いてやる、行くぜ!」
「「「「おう!」」」」
既に変身している二人以外の涼達はチェンジストーンを宝救剣をはめ込む。
レッド!ザ!武装!
ブルー!ザ!武装!
ピンク!ザ!武装!
「「「武装!」」」
掛け声に合わせて宝救剣から光が飛び出して、涼達も変身した。
「貴様らーーー!」
アイカは声を上げた。
「情熱のルビー!ホウキュウレッド!」
「激突のオニキス!ホウキュウブラック!」
「揺蕩うアクアマリン!ホウキュウブルー!」
「疾風のエメラルド!ホウキュウグリーン!」
「輝きのピンクダイヤ!ホウキュウピンク!」
「「「「「勇気の宝石身に纏い!」」」」」
「宝石戦隊!」
「「「「「ホウキュウジャー」」」」」
名乗りと同時に各色の花火が上がる。
「ヒーローごっこはよそのゲームでやりやがれ!」
「お前らただですむと思うなよ!」
「懲らしめてあげます!」
「あの犯罪者達を殺しなさい!」
「抜剣!」
兵士達は武器を構えて向かってきた。
「こっちも行くぜ!」
「ティラ!」
ルビティラが涼を背に乗せた!
「ルビティラ!」
「ティラ!」
走るくらいはできる!かわかった!
「一瞬に戦うぞルビティラ!突撃!」
俺達は宝救剣を構えて迎え打つ。
「ウエポンアップ!」
俺達は専用武器を取り出す。
涼はルビティラに跨り剣を振りかざしてきたカズとぶつかる。
「何でお前なんかに!剣が渡る!」
「知るかよ!」
カキン
俺は剣を右のティラノファングで弾き左の宝救剣を振りかざすと相手も剣で防ぐ。
さすが先代勇者だ!太刀筋はたいしたもんだ。
「何故亜人キャラのアバターが僕達のアイテムを!」
「何を言っているか判らないぞ!トリケラキャノン!」
アインとコハクは互いに銃で打ち合っている、互いにぶつかり相殺してしまい中々決着がつかない。
「出来れば女の子とはやり合いたくないが!」
「甘くみすぎです!」
カイトは大剣を振りかざしリアはパキケファログローブで弾いた。
「か、硬い〜」
カイトは痺れた。
「どんどん行きます!」
リアはひたすら懐に飛び込んでダイヤモンドのパンチをお見舞いする。カイトもひたすら弾いている。
「汚らわしい爬虫類と死体が私に近づくな!」
「爬虫類ではない!」
「いやお前爬虫類だからな!後俺は死体じゃねえ!」
アイカと兵士達をルーガルとカイエンが戦っている。
カキンと剣と槍がぶつかり合う。
相手は人だから殺すわけにはいかない。
涼達が先代勇者達と激しい戦いをしている頃、巨大戦もまだ続いていた。
「バテてきたなワニ!」
「ワニ…」
さっきから宝石獣デイノニクスは激しい噛み付きや尻尾を振り回したりせずにひたすら避けては体当たりばかりしている。
「ギャオ!」
キツイなこっちも!
「テゴォ!」
カイエン〜助けて〜
「いけねオニステ達を忘れてた!」
「カイエン、ルーガル!二人は行ってくれ!」
「こっちは任せておけ!」
「二人には貴方達が必要です行って下さい!」
「わかった!オニステ中に入れろ!」
「テゴォ!」
いーらーしゃー…長いつの!
「ラルトル入れてくれ!」
「ギャオ!」
蜥蜴は入れたくないな…いいから入れないか!
二人は二体に飛びつき中の結晶の部屋に入ると宝救剣をさして一心同体になる。
「とわいえなルビティラは戦えないし…」
「どうしましょう…」
これじゃ意味ないな…どうするよ…
「ワニ!」
オイ鼻たれども!ん?誰だ?
「ワニ!ワニ!」
ずっと見ていたぞ鼻垂れ共!ってワニお前か!
「ワニ!ワニーーー!」
ワシは宝石獣デイノスクスだ!今時珍しい鼻垂れ小僧ぷり気に入ったぞ!っては?何を言ってんだお前!
「ワニ!」
ワシと合体だ小童共!え!お主も人型になれるか!?
「伊達にデカくないか!わかった力を貸せ!」
「ワニーーー!」
生意気なだがよし!悪かったよ!
「宝石合体!」
カイエンの掛け声でデイノスクス、オニステ、ラルトルの三体の体が光バラける。
デイノスクスが胴体と足と頭を構築しデカイ頭は真ん中に着く。ラルトルの頭が右肩につき胴体は腕と槍を構築しハマる。オニステの頭が左肩にくっ付き胴体は腕を構築し尻尾と背鰭は弓を作り装備した。
今、新しい宝石獣と二人の勇者が力を合わせ豪華な宝石巨人が誕生するぜ!
「「誕生ゲーターオー!」」
宝石巨人ゲーターオーが誕生した。
「は?あのジジイワニ人型になりやがった!」
「ゲーターオーだと!?」
「僕達の時は合体能力はなかったハズだ、どんなチートを…」
「うおーーーー!!あのワニ二号ロボだったのか!!」
いいな〜俺が操縦したかった!!!
「ティラ…?」
何言ってんだお前?気持ちはわかるよルビティラ…
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