第2話 ある家族の歌
もう決してあの夜空に帰れない
隕石はそう囁いて息を引き取った
私になぞ見つからなければ
隕石は美しく尾をひいて夜空を
流れ続けたに違いない、違いないのだ
私になぞ見つからなければ
すべての人のなかで流れ星として
希望のように願いを捧げられて
それはもう永遠に違いなかったろう
末期の吐息は渦巻きながら
私の腕のなかに
ちぃさな輝きを残して
小窓に切りとられた
枇杷の小枝をくぐりぬける
季節に変わっていった
それもまた永遠に違いなかった
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