「年下が好き」と言っている奴の年齢が、自分より年下になるときの絶望
恋愛(出会い)の可能性は徐々に減っていく。
最後はゼロになる。
私は一度も叶えられずに、可能性がゼロになった。
人生は一回しかないことを考えると、破壊されるレベルの絶望である。
実際に、それが原因で人生が壊れてしまったけど……。
恋愛ができる年齢に成長した頃、「年下が好き」って言われても、そのときは同年代か年上しかいないから気にならない。
でも、恋愛ができない年齢になって、「年下が好き」と言われると、存在そのものを門前払いされてしまう。
まるで、深海に沈んでいく感覚と同じだよ。
浅瀬を泳いでいた頃は、たくさんの仲間がいて、エサも豊富にあるんだ。
太陽の光が届いていて明るい。
でも、深くまで沈んでしまうと、仲間はいないし、エサなんか無い。
太陽の光が届かず真っ暗だ。
今の私は、深海生物のように、水圧という身体的・精神的圧迫とともに、暗くて誰もいない孤独な世界にいる。
残念ながら、もう、浅瀬には戻れない。
そこに戻らなければ見向きもされないが、それは、もう不可能である。
仮に、この深海に誰かがエサを投下したらどうなるだろう。
このときとばかりに押し寄せる何千何万ものライバルたちと戦って、勝たなければならない。
そんなのは、事実上、不可能だ。
まぁ、私の場合、最初から年齢は関係なかったけど……。
家族主義国家日本では、家族崩壊した時点で全てを失う。
恋愛と結婚も、その時点で無くなる。
家族がいる人間との出会いは、もう不可能になるからね。
私と同じ天涯孤独と、偶然、出会い、恋に落ち、結婚する?そんなのは100パーセント無理!30年以上、命を懸けて探しても一人もいなかった……。
若くて、その可能性があった頃は、まだ希望を持てたが……。
どうにもならないほどに、どうにもならなかった。
この国では、恵まれた環境で、ただ、ヌクヌクと生きてきただけの、被害妄想ゴミ女しかいなかった。
自分より年下の女に「年下が好き」と言われたとき、私にできることは、浅瀬で泳いでいる連中の戯れを、深海から指をくわえて見ていることだけ……。
それ以外のことは、何もできない。
家族観さえあれば……と、無念の言葉を吐き出しても、私にはどうすることもできない。
敗北の現実を受け入れられないのは、勝負で敗北したというよりも運命的にどうにもならなかったことが悔しくてたまらないから……。
若い頃、ファッションモデルをしていた私が、もし、他人と同じように、当たり前のように家族がいて、当たり前のように住む家があるような人生だったら、絶対に負けなかったと今でも思っている。
とてもじゃないけど、どうにかなる現実ではなかった。
自分より年下の女に「年下が好き」と言われたときの絶望は、人生の時間が終わったことをレッドカードという形で示されたのと同じだ。
私は恋愛ができない苦しみをわざとぼかしているのに……、この言葉は、面と向かって直視させられる凶器として、私に傷を負わせてくる。
ああ……、悪かったな、年上で。
反射的に言い返しても、何の意味もない。
ただ、虚しいだけだ。
でも、他にできることが何も無い。
だから、反射的に言い返すしかない。
黙っていると、殺意や自己嫌悪を抑えきれなくなる。
ああ……、悪かったな、恋愛経験(デート経験やセックス経験)が一度も無いまま、人生の時間を終えた年上で。
ああ……、悪かったな、人間のクズに生まれ、社会のゴミとして存在しただけの年上で。
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