スクロール(ネットの誹謗中傷経験に基づいて)
SNSやポータルサイトでは、日々、人々の意見が飛び交う。
時事ネタがほとんどで、ある議題に対して、ある記事に対して、または、ある発言に対して、秒単位・分単位で、たくさんのコメントが書き込まれる。
さらに、そのコメントに対しても、たくさんのコメントが書き込まれる。
私は、そのやりとりをスクロールしながら見ている。
まぁ、いろんな人間の、いろんな人生が垣間見えるのだが……。
何というか……、矢面に立ちたくない日本人の主戦場みたいなところだな……。
実名だったら、こうはならないだろう。
このコメントの数々を見ていると、恵まれた環境でヌクヌクと生きてきた被害妄想者と、不幸の背比べをして意地でも勝とうとしたがるクソガキばかりで、正直、うんざりする。
日本人は自分さえ良ければ他人がどうなろうが知ったこっちゃない民族なのに、なぜ他人の人生に首を突っ込みたがる?
すぐに、被害妄想に塗れた誹謗中傷コメントをする。
なぜ、それほどまでに自分の人生観・価値観・世界観とズレた人間が許せないのか?
そんなもん無視すればいいだろう、他人の人生なんだから……。
それに……、私から見たら、お前ら全員一緒だろうが……。
全員、そっち側の、同じ世界で生きているではないか……。
何を偉そうに罵り合っている?
当たり前のように家族がいて、当たり前のように住む家があって、当たり前のように友人がいて、当たり前のように恋人がいて、当たり前のように結婚できて、当たり前のように子供がいる、または、そのどれか一つでも叶えられている人生なんだろ?
違うか?
私はそれが一つも無い人生なので、『家族主義国家日本人の常識』から外れている。
だから、私は、生きている世界が違うだけでなく、同調圧力にも屈しないので、誹謗中傷の対象になりやすい。
私が一番驚いたのが、(不特定多数の利用者からの)コメントをオンの設定にしていることと、それをしている奴らが、性善説に立っていること……、それでいて、誹謗中傷をされたら「深く傷ついた」「なんでこんな事を言う奴がいるのか?」と言っているところだ。
いやいや、人間とは、そもそもそういう生き物でしょう。
まして日本人なんて、それの世界トップクラスでしょう。
そりゃ、自分よりも良い人生を送っていると思われたら、攻撃の対象になるでしょう。
そんなの当たり前でしょ?
逆に、それがわからないほど良い人生を送っていることが信じられない。
コメント欄をオンにしたら、攻撃されるのは当たり前……。
この国では、「私の方がもっとツラい人生だ……」と不幸の背比べを勝手に仕掛けて意地でも勝とうとしてくるので、攻撃を仕掛けられるのは当たり前……、だって被害妄想者しかいないのだから……。
つまり、被害妄想者しかいない国では、ほぼ全員が敵ということになる。
コメント欄はオフにするのは、私に言わせれば常識である。
私は他人の書き込みにコメントはしない。
生きている世界が違うからね。
私の常識と、世の中の常識はズレ過ぎている。
それを自分の力で調和させることもできない。
その時代に生まれ、その家に生まれ、その環境で育つという選択は、自分にはできない……、それなのに、この国では、そこで全てが決まってしまうのである。
この家族主義国家日本では、多数派に入れなければ、終わりということになる。
邑という日本特有の文化は衰退したが、それに基づく概念はまだまだ根強い。
少数派に入るということは、文化から外れるという形になるので、身体的にも精神的にも居場所は無くなる。
例えるなら、月から地球の営みを見ている感じにしかならないのである。
とは言っても、承認欲求はあるので、見るだけならいいけどコメントはしてくるな!という形でしか、そういうサイトとは関われない。
能力や境遇(少数派)のせいにせず、自分の力でどうにかなると思っている人は、(自分ではそう思っていなくとも実際には)才能や環境に恵まれただけの、ただのクソガキである。
この国には被害妄想者しかいないので、ほぼ全員がハズレくじを引いたと思っているのでしょうけど、実際には、ほぼ全員が当たりくじでなのである。
本当にハズレていたら、最低でも、私と同じ肩書(元受刑者、元路上生活者、元精神病棟患者……)が付く人生にしかならない。
そっち側の人間は、すぐに、努力・我慢・行動・ポジティブ・ネガティブ・前向き・後向き・プラス思考・マイナス思考・諦める・諦めない・強い・弱い……という言葉を使って、何でもかんでも自分の力で勝ち得たことにしたがる。
私の姿が、努力不足・我慢不足・行動不足と映るのは、そっち側(多数派)の人間が、生きる意味・気力・目的・希望を失った世界を知らないから……。
つまり、本当の孤独を知らないから……。
スクロールの果てに見える世界に、私と同郷はいない。
どれだけ探しても、ここにいるのは、違う世界で生きた人たちだけ……。
私がこいつらを理解できないのと同じで、こいつらも私を理解できない。
以前、誹謗中傷を書き込まれたことがある。
今でも、そのときの言葉は保存している。
しかも、1度や2度じゃない。
怒り心頭で、当然のように法的手続きを取った。
文面からのイメージとしては、若い男性かな?と思っていたら、いざ、個人情報を取得してみたら、中年の女性だった。
文章だけではわからないものだなぁと改めて思った。
そのあと、『法的手続きを経て、そっちの個人情報を取得しました』と言った途端に、態度が激変……。
余計にムカついたね。
私の中では、このタイミングで態度が激変する奴って、守るものがあったり、自分が誰かに守られている人だと思っているので、私のように元受刑者、元路上生活者、元精神病棟患者……という肩書が付くような人生は絶対に送っていない。
最近の事例でいうと、誹謗中傷コメントを送った相手が自殺した瞬間に、一斉にコメントを削除する動きが見られるが、それと同じである。
だから、私は、それ以来、自分が多数派の人間ではない!という自己紹介を載せている。
私は天涯孤独で、元受刑者、元路上生活者、元精神病棟患者……だとオープンにするようにしたのである。
まぁ、そう書いたところで、日本人は他人の人生に全く興味がないので、そもそもプロフなんて見ないし、嘘を付いてでも不幸の背比べに勝とうとしてくるので、あまり意味はないけどね。
それでも、誹謗中傷はほぼ無くなったかな?
最近、『無敵の人』という言葉がネットで使われるようになったが、私のように人間関係が存在しない天涯孤独で、残りの人生が自殺と殺人しか残っていない人間を指すのだろうけど……。
潜在的には、私と同年代以降の男は、こんな人間は山のようにいる。
ただ、私のように実際に服役するとなると、今のところ、ほとんどいないかな?
そりゃ『無敵の人』で、実際に個人情報を取りに来るとわかったら、関わる人は少なるなるだろうね。
そっちにはそっちの世界(多数派)があり、こっちにはこっちの世界(少数派)がある。
スクロールをするたびに、それが確信へと変わっていくのが、とても虚しいね。
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