「私のことは誰にもわからない……」

まぁ、そんなことを主張しても意味がないことくらいわかっている。

別に私だけに当てはまることじゃないからね。

だから、独り言なんだ。

聞きたくないのなら、私から離れてくれ……。

ああ……、当たり前のように家族がいて、当たり前のように住む家があって、当たり前のように友人がいて、当たり前のように恋愛ができて、当たり前のように結婚できて、当たり前のように子供がいる、または、そのどれか一つでも経験できた奴らには、私のことはわからない……。

デート経験やセックス経験が、人生を通して１回でもある奴には、私のことはわからない……。

ああ……、『努力・我慢・行動・ポジティブ・ネガティブ・前向き・後向き・プラス思考・マイナス思考・諦める・諦めない・強い・弱い……』などという薄っぺらい言葉を使って、何でもかんでも自分の力で勝ち得たことにしたがる人間には、私のことはわからない……。

ああ……、逮捕勾留・自死行為長期入院・精神病棟・路上生活・ホームレス収容施設と一周した経験の無い奴らには、私のことはわからない……。

この世に会話の相手とメールの相手が１人もいないまま、１回きりの人生を終えた絶望を経験していない奴らには、私のことはわからない……。

ああ……、恵まれた環境でヌクヌクと生きてきたクソガキしかいない日本人には、私のことはわからない……。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい