文集 ホントウノコドク

他人に向かって『前を向く』『前向き』『ポジティブ』という言葉を使う奴、消えろ

人々は、よくこの言葉を使う。

前を向く、前向き、ポジティブ……。

こういう言葉を使う人間は、私の人生経験上、恵まれた環境でヌクヌクと生きてきた被害妄想者か、不幸の背比べをして意地でも勝とうとしたがるクソガキかのどちらか、または、その双方である。

こんな言葉を使う背景は何なのか……。

答えは簡単だ。

余裕のある人生だから……。

本当に追い詰められている人がこの言葉を使うと、どうなるか？

使ったあとに強烈な虚しさが襲ってくるだけ……。

しかも、耐えられないレベルだ。

だから、使わない。

この言葉を使う連中の大半は、当たり前のように家族がいて、当たり前のように住む家があって、当たり前のように友人がいて、当たり前のように恋人がいて、当たり前のように結婚できて、当たり前のように子供がいる、または、そのどれか一つでも叶えられている人生だ。

断るごとに『努力・我慢・行動・ポジティブ・ネガティブ・前向き・後向き・プラス・マイナス・諦める・諦めない・強い・弱い……』という言葉を使って、何でもかんでも自分の力で勝ち得たことにしたがるゴミクズのような人間たちだ。

日本人のほとんどがそんなんだから、私はもう絶望するしかない。

私の人生経験とは、まるで違う。

当然、会話が成立しないから、私は孤立してしまう。

人生とは不可抗力であり、自分で勝ち得るものなど、ほとんど無い……。

『前を向く、前向き、ポジティブ……』は、生きるために当たり前のようにしていることで、特段、言及するようなことではない。

他人に言い放つなんて論外だ。

『心臓を動かしている』とは言わないよね、それと同じ……。

『生きる、イコール、前を向く』なんだよ。

人間、どんなに落ち込んでいても、生きるための行動は取っている。

その行動自体が、前を向いている証拠なんだよ。

それをしていない人間なんて、余命いくばくもない人か、自殺する直前の人くらいだよ。

それを、わざわざ……、日本人たちは……。

『努力・我慢・行動・ポジティブ・ネガティブ・前向き・後向き・プラス・マイナス・諦める・諦めない・強い・弱い……』という言葉を使って、他人を勝手に後ろ向き設定にしてから、『前を向く』という結論を押し付けたがる。

私がこいつらに言いたい言葉は……。

「お前ら、言う方も言われる方も、ずっと前を向いているだろが……、なんでこんな奴しかいないんだろう、この国には……」

こいつらは、この言葉を他人に言い放つ前に、自分の後ろ向き設定（そいつにとってのツラい過去）から今の自分の立ち位置に到達るまでの過程を武勇伝として語りたがるけど、その最初の後ろ向き設定がクソ過ぎるんだよ。

こっちの人生経験、何も知らないくせに、偉そうに語るなゴミクズが……。