ボカロ(若者を装って女子高生とチャットする破壊的虚しさ)
SNSに登録して、若者を装って、女子高生とチャットをしている。
もう、これをやっていないと生きる気力が保てない。
恋愛ができる年齢は、とっくの昔に過ぎている。
こんなことをしても虚しいだけなのはわかっている。
会話についていけないのもわかっている。
ただ、何もしないでいたら、気が狂ってしまう。
天涯孤独の私は、彼女1人作れずに1回きりの人生を終えた。
その現実が、私を破壊的に苦しめる。
大量の薬を服用していないと、あっという間に、自殺や殺人をしてしまう。
その衝動を抑えるのは、このままいったら不可能になるだろう。
私は女子高生と繋がることで、いったい何を求めているのだろうか……。
若いときだったら、仲良くなれたら「通話しようよ」とか「会おうよ」とか言ったかもしれないけど、さすがにこの歳では100%無い。
いつ切られるかわからないけど、話ができるだけでいいと、自分で自分を説得するようにしている。
ほとんど全員が一文メールを送ってくるので、会話はこちらが作らないといけない。
会話が続くことは、全くと言っていいほど無い。
非常識なバカ男が多い分、逆に重宝される部分はあるけど、出会い系を30年やった経験から、このバカ男どもの取っている行動の方が正解なのも知っている。
結局、女子高生とのチャットは、虚しいだけで、失った若い時間の残像が浮かんできて、さらに虚しさが加速する。
ただ、全てがダメというわけではなく、知らない用語で出てくるたびに、それを調べて、わかっているフリをしていたので、その度に知識が増えていった。
その過程で、一つだけ、ハマってしまったものがある。
それが、ボカロだ。
『ボカロ』『プロセカ』『リア垢』『ディスコ』『スプラ』……、まぁ、数え上げたらキリがないほど、私の知らない用語が出てくる。
知らないと会話が続かないので、その度に、検索をして意味を理解し、実際にトライしてきた。
ボカロにハマったというより、ボカロ曲にハマったという感じだろうか……。
しばらく、ボカロ曲以外、何も聞かなかった時期があるからね。
今も、ボカロ中心に聞いている感じかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。