迷路

いつからだろう。

誰もいなくなってしまった。

私1人だけが、この迷路をさまよっている気がする。

周りにいた同級生たちは、もう出口を見つけて、ここから外に出たのだろうか?


もう何十年、誰とも会っていない気がする。

もはや、出口を探すというより、誰かいませんか?と人を探しているような感じだ。

まるで、1997年製作のカナダ映画『キューブ (Cube)』の中に、自分がいるかのようだ。


この迷路の中に居ても、歳を重ねてしまうし、寿命という名の終わりもやってくる。

このままここに居ては、家族なし、友人なし、恋人なし、結婚なし、子供なしで終わる1回きりの人生が確定してしまう。

思い出一つ残らない、存在価値すら残らない人生が確定してしまう。

動き回っているうちに、生きる意味・気力・目的・希望も無くなりつつある。

いったい何をどうしたらいいのか?

私にはわからない。


私は迷路に取り残されてしまった。

このもがきを止めるということは、ここで朽ち果てるということになる。

私は出口のない迷路をさまよっているのではなく、出口はあるんだけど、そこにたどり着く能力が無かったんだ……、そう思えてくる。

初めから、この迷路の中に入るべきではなかった。

つまり、生まれてくるべき存在ではなかったんだ……。

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