ドレスコードに引っかかる

ドレスコードに引っかかるという行為は、意外と自殺願望を刺激する。

恥じらいという枠を超えて、自己嫌悪という枠まで超えて、一瞬で、そんな自分を殺したいと思う。

私がドレスコードに引っかかった経験から、なぜか、生きる全ての事象が、それと同じように思えてくる。

私はレジャー施設というところに、学校行事以外で行った記憶がない。

遊園地、動物園、水族館、スキー場、キャンプ場……、まぁ、レジャー施設はいろいろあるけど、そもそも楽しむという観点で作られた施設には、私のように人生を楽しめない人間は行ってはいけない。

無理矢理笑ったり、無理矢理周囲に合わせたり……をしないと存在できない人間は、そんな場所に居てはいけないのだ。

それは、そういう人間に生まれたらわかるよ。

私の場合、『作った自分』なんていう単純な根性論を遥かに超えて、性格を変えるために、大量の薬で脳内物質をいじくりまくったのに……、それでもダメなのだから、もはや、神の領域なんだよ。

人生を楽しめるか楽しめないかの選択権は、生後には存在しない。

ドレスコードみたいな許可証は、生まれる前に付与されているかいないかだけなんだよ。

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