「仕事が生きがい」と言っている奴の薄くて狭い世界観

「仕事が生きがい」って言っている奴は何者だ?

なぜ、これほどまでにたくさんいる?

どういう意味だ?

何百万人に1人、または、何千万人に1人の勝者が言うのなら、まだわかる気もするけど……。

なぜ、そんなセリフが出てくる?


もし、私と同じように、人生の全ての時間を、家族なし、友人なし、恋人なし、結婚なし、子供なし、会話の相手1人なしで削ったのなら、そんなセリフは絶対に出てこない……。

『本当の孤独』に陥ると、生きる意味・気力・目的・希望の全てを失う。

廃人になるという言葉は、このタイミングかと思う。

絶望と無気力に支配されてしまうと、仕事どころか、日常生活もままならなくなる。

もちろん、並外れた才能の持ち主でも、何もできないまま、老いと死を迎えてしまう。

そうならないように生きようとしても、どうにもならないほどに、どうにもならない。


「仕事が生きがい」という奴は、きっと、当たり前のように家族がいて、当たり前のように友人がいて、当たり前のように恋人がいて、当たり前のように結婚できて、当たり前のように子供がいる、または、そのどれか一つでも経験したことのある恵まれた人生なんだろう。

当たり前という土台の上で生きているから、土台をカウントしない。

だから、そんなセリフが飛び出すのだろう。

その当たり前を失ったら……という考えは、この人たちにとっては、ファンタジーの世界なのだろう。

『本当の孤独』は、実体験しないとわからない。

ほとんどの人間が短い人生の時間で、それを知ることはないかな?

「仕事が生きがいだ」なんていうセリフ……、私も一度でいいから言ってみたかったな。

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