田舎の小学生と中学生

都市部で生まれ育った人にはわからないと思うけど、田舎の小学生と中学生は、たまたますれ違った見ず知らずの大人に、普通に挨拶をしてくる。

私は都市部で生まれ育ったので、田舎暮らしをするまでそういう現実を知らなかった。


私の人生経験に照らし合わせると、あれに近い感覚だな……。

見ず知らずの人間に喧嘩を売ってくる、あおり運転のゴミ男と……。

相手がどんな人生で、どんな人間かがわからない段階で、なぜ喧嘩を売れるのかが信じられない。

見知らぬ人に挨拶っていうのも、人を性善説で捉えていないとできないだろうな……。


ちなみに、あおり運転は何度も食らったことがある。

理由は簡単……、私が女性のような可愛い顔をしているから……。

一番、印象的だったのが、車を強制的に止められて、前から「オラ、オラ」言いながら迫ってくるゴミに、刃渡り30cmの包丁と、同じく刃渡り30cmのサバイバルナイフを両手で持って、私から突進していったことがあって、そいつは、急にUターンして自分の運転席に駆け込んでいった。

すぐに追いかけて、そいつの運転席側の窓を壊そうとしたら、今度は急発進していった。

あのクズ野郎を思い出すね。

幸せな人生を送っている人だけが運転をしているわけではないのに……、中には、人生が本当に壊れちゃった人間もいるのに……、私みたいに……。


見ず知らずの人に声をかけるのは、私にはできないな……、たとえ、近所の人であっても……。

そいつの人生経験までは見えないからね。

挨拶したことをきっかけに、急にそいつが自分のストーカーに変身するかもしれないし……。

小学生と中学生だと、性別関係なく、標的になる可能性があるからね。

こういう光景は……、なんというか、古き良き日本の名残とでも言うべきか……。

私の子供時代、つまり、昭和の時代ならわかるけど、今の時代は止めた方がいい気がする。


徒歩の私とすれ違う、自転車の中学生……。

徒歩の私とすれ違う、同じく徒歩の小学生……。

ああ……、頼むから、挨拶はしてくるなよ、バイバイもしてくるなよ。

もし、手を振られたら、無意識のうちに振り返す自分が偽善者っぽくて嫌になるし、子供の頃を思い出して儚くなるし、誰とも出会えないまま終わった私の1回きりの人生と、まだ可能性が無限に広がっているお前たちの人生との対比が、ツラくて、虚しくて、死にたくなるからさぁ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る