未来

ふたご




「母上ーっ!」「おかあさまーっ!」


「マイオン。ユイン。二人とも、元気ね?」


「うん!元気だよー!」「うん、元気よー。」


わたしの息子と娘。可愛いらしい双子の兄妹。

二卵性双生児の双子ちゃんです。


けど、性格は、双子だからか、よく似たようなことを言うので、分かりやすいですね。






「おかあさま、いま、なにしてるのー?」


「景色を見て、まったりしてるところよー。」


ミルクティーを片手に、ほのぼの気分を味わいながら、庭を眺めているところです。


双子の兄妹は、従弟のレヴィーが世話役なの。

あら?そういえば、レヴィーは、どこに?


「わああ!おかあさま!それ、ミルクティー?わたしも、のみたい!良い?」


「ふふふ。ええ、余りがあるから、もちろん、大丈夫よ!どうぞ!」


「おかあさま!ミルクティー、ありがとう!」


「ふふふ。どういたしまして。」


「ミルクティー、マイオンも、いる?」


「うん!ぼくも、のむよ!これ、おいしいの!マルーサが作ったの?」


「ええ。そうよ。ほんと美味しいわよねー。」






「あ!リラン姉様!おはようございます!


「レヴィーくん、おはよう。どうしたの?」


あ、来た来た。まさか、世話役であるレヴィーくんから、こっそり抜け出したのかしら?


この子達、好奇心旺盛なのよねー。


「す、すみません………!目を離した隙に………双子がそちらに行きませんでしたか………?」


「双子なら、こちらにいるわよ?」


まったり中の双子兄妹を示す。双子は、本当にミルクティーを飲んで、まったりしている。


マイオン。ユイン。あなた達、あまりレヴィーくんに、ご迷惑をかけては、だめよ………?


「ああああ!マイオン様!ユイン様!」


「レヴィー叔父上だあ!」「おじさまー!」


「お、おじうえ?おじさま?リラン様、僕は、この年にして、叔父様に見えるのでしょうか?僕は、まだ12歳なんですけど………」


「あー、うーん………双子にとって、あなたは、叔父様なのかもしれないわね。」


「そ、そうなんですね………。」


わたしの父方の従弟だからでしょうか………?


せめて叔父様ではなくて、兄様と呼んで欲しいのかもしれませんねー。


「「えっ?あれ?違うの!?」」


「仕方ありません。マイオン様、ユイン様なら良いですよ。そう呼んで下さい。」


「ありがとう!レヴィーおじさま!」


「レヴィーくん、双子がごめんなさい。いつも双子の面倒を見てくれて、ありがとうね。」


「い、いえっ!こちらこそ、ご子息、ご令嬢の世話役を、ありがとう存じます!」


「ふふ。義叔父様に似て、貴方は真面目ね。」


ステファ叔母様の第二子、レヴィーくんです。


異父姉のハルファちゃんより8歳年下で、双子兄妹のお世話係で、執事見習いさん。


ただし、双子に振り回されている。もうひとりくらい世話役を増やした方が良いかしら………?





「リランお姉様、レヴィー君は、仕事に対して真面目過ぎるんですよー。」


「ハルファ姉上は、自由奔放過ぎますよね?」


「あら、そうかしらー?普通じゃなくって?」


「自由すぎます!姉上は、もうそろそろ、結婚するのですから、落ち着いて下さいませ!」


「うふふ。わたくしらしくて良いでしょう?」


ハルファちゃんは、20歳になりましたけど、いまだに元気すぎる自由人ですね。


自由奔放ゆえに、弟だからか、レヴィーくんはよく振り回されているようです。


「ハル叔母上ー。」「ハルファおばさまー。」


「マ、マイオン様!ユイン様!さすがに、私のことは、ハルファお姉様とお呼びください!」


「えっ?ハル叔母上は、母上の従妹ですから、叔母上でしょ?違うの?」


「うんうんっ!そうだよ!ハルファ叔母上!」


双子にとって、自分達の従兄姉なら、お姉様、お兄様だけれど


母の従妹弟は、叔母様、叔父様呼びであった。


「姉上も、そう呼ばれてるんですね………?」


「そ、そうみたいねー?あ、あははは。」






「母上っ!」「おかあさまー!」


「あらあら、甘えたいの?いらっしゃい!」


「「ほんとっ?わーいっ!だいすきっー!」」


「ふふふ。マイオン。ユイン。ありがとう。」


あああ、マイオンもユインも可愛いすぎるわ!

久しぶりに甘えたいのねー。


可愛いらしい双子の兄妹をぎゅっと抱きしめてソファに座ります。





「マイオンは、大人びてても、まだ甘えんぼうさんなのね。ユインは、相変わらずね。」


「ふふ。マイオン様とユイン様は、リラン様がお好きなんですね。」


「ええ、ほんと、そうみたいね!母親として、とっても嬉しいことよ!」


「むー、早く僕も父親になりたいものです。」


「ふふふ。その前に、ハルファちゃんと正式に結婚しないとね?ユゼロくん!」


「………ええっ?あっ!は、はい………!」


ユゼロくんは、ハルファちゃんの婚約者さん。

庭師見習いの25歳の青年です。


執事長ヴィーンの孫で、今では侍女長になったマルーサの一人息子になります。


「まあ!ユゼロさんったら、照れすぎです!」


「さすがに、リラン様に言われると、なんだか恥ずかしいからね。」


「ふふ。旦那様、よろしくお願いしますね?」


「う、うん!よろしくね!ハルファ。」







「マイオン!ユイン!わたくし、リゼ伯母様があなたたちに会い来ましたわ!」


「あはは。母上様、僕も、来てるんだけどね?ああ、マイオン!ユイン!久しぶりだね!」


「リゼおばうえー!」「リートにいさまー!」


「あらあら、可愛いらしいわねえ。マイオン。ふふ。ユインちゃんは、リートが好きねえ。」


あ、リゼ姉様と、その息子のリートくんが来たようですね。双子兄妹の従兄です。


リートくんは、のんびりしていますが、優秀な青年で、未来の宰相候補なんだそうです。


「今回も、残念ながら、リュエルとマイヤは、来れなくてね。わたくしが代わりに来たわ!」


「相変わらず、リュエル兄様は忙しいですね。マイヤくんだけなら、来れそうなのに。」


マイヤくんも双子の従兄です。リュエル兄様の息子で、お強くなりそうな青年です。


ただ、マイヤくんは、母親似らしく、筋肉ムキムキにはならないみたいね。


騎士としてお強いだけじゃなく、お母様に似て文官も出来そうな、不思議な子よ。


「マイヤも、騎士見習いとして忙しいのよ。」


「あら、見習いになったのね。マイヤくんに、おめでとう、とお伝えして下さりますか?」


「ええ。もちろんよ!喜ぶと思いますわっ!」








「マイオン。貴方は、将来どうしたい?」


「うーん………かっこいい父上みたいなきぞくのとうしゅになりたい………!」


「ふふふ。リエール様みたいな、立派な貴族にお成りなさい。」


頑張る息子を、応援するのは、親の役目です。


立派な子爵家の当主を目指して、頑張ってね!わたしとリエール様の可愛い我が息子。


「お母さんは、あなたを、応援してますよ。」


「うんっ!母上、ありがとう存じますっ!」







「ユインは、何になりたい?お嫁さん?」


「うーん………うーん………おかあさまみたいなおじょうさまになる!」


「まあ!ありがとう!ユイン!」


可愛いらしい目標ねー。母親としては、お嬢様らしいかは分からないくらい、お転婆さんな娘だから、心配なのだけど。


まだ、この子は、7歳だものね。大丈夫よね!


「あ、あと、リートにいさまみたいにきしっておしごとをね!やってみたいの!」


「えっ?貴女が、騎士に……!?お父様を見てて分かる通り、騎士は大変なお仕事よ………?」


「が、がんばるもん!だいじょーぶだよっ!」


「………そうね。なら、リート君に、弟子入りができる女騎士がいるかを、聞いてみますね?」


「うんっ!ありがとう!お母様っ!」


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