きせき


「ふふふ。もう、リエール様と出会ってから、3年も経つのね〜。とっても早いわ。」


「本当にね。いつも、ありがとう。リラン。」


「ええ、こちらこそ。リエール様。」


出会って婚約をしてから、3年が経ちました。

私は、22歳。リエール様は、24歳に。


リゼ姉様やリュエル兄様のところに、それぞれ可愛いらしい甥っ子が生まれました。


月日が経つのは、本当に本当に、早いですね。


「今日、やっと、君と結婚出来たんだなあ。」


「ふふふ。そうですね。わたしには、ちょっと結婚には早い気もするけれど。」


「ゆっくりで良いよ。一緒に慣れて行こう。」


今日の朝は、わたし達の結婚式がありました。


可愛いらしいウェディングドレスは、わたしの青い瞳の色から、リエール様の綺麗な紫の瞳のグラデーションです。


「うん。改めて。とても綺麗だよ。これからも夫婦として、よろしくね。」


「ふふふ。ありがとう。リエール様こそ、これからも、よろしくお願い致しますね。」


リエール様の衣装は、黒色のスーツに、青から紫へのグラデーションのネクタイです。


お揃いにしよう、と提案したのは、リゼ姉様と皇太孫妃であられるカラーエラ様です。


「リート君もマイヤ君も可愛いかったわね!」


「うん。リート君は、第二王子殿下に。マイヤくんは、リュエル兄上に、よく似たね。」


リート君はリゼ姉様の嫡男で2歳。マイヤ君は辺境伯になられたリュエル兄様の嫡男で0歳。


本当に、ふたりとも、可愛いらしい甥っ子達!とても癒されました!


「私としては、未来に、息子だけじゃなくて、娘もいたら良いなあ、と思ったよ!」


「まあ!リエール様に似たら、かっこよくって素敵な賢い子が生まれそうね!」


「あははは。ありがとう。君に似たら、可愛いらしくて、おませな子が生まれると思うよ。」


「ふふ。なんだか、楽しみね!」


「うん。楽しみだね!」


こんな幸せな家庭を、ありがとうございます。


まだ始まったばかりだから、色々試行錯誤で、大変なときもあるかもしれませんね。


「我が家には、両親だけではなく、叔母家族がいるもの。何か困ったときは、ちゃんと人生の先輩達に相談しましょう!」


「うん。もちろん、私の両親や姉兄達にも相談しても良いからね。」


「ふふ。優しい旦那様がいて、わたし、本当に嬉しいわ!もちろん、相談するわよ!」


やっぱり、これから先、新婚生活が始まる中、いずれ、育児について相談するかもしれない。


お母様も、叔母様も、お義母様も、育児経験者だから、助かりますね。


本当に、いつも、ありがとうございます。








その日の夜。


わたしは、不思議な夢を見ました。


それは、とても夢なのか、現実なのか、分からない、不思議な暖かいものです。


わたしが立っているのは、どうやら、我が家の近くにある丘のような場所です。


わたしとリエール様の目の前に、可愛いらしい7歳くらいの少年少女が現れました。


あら………?いったい、どこから現れて………?


「初めましてっ!お父様!お母様!わたしは、貴女の娘として、生まれますっ!」


「初めまして。僕は、この子のお兄ちゃんで、お父様、お母様の息子になる者です。」


女の子は、お淑やかで、上品な。わたしにどことなく似てるけど、ちょっと違う感じの少女。


男の子は、いたって冷静で、リエール様に似た賢そうな少年。


「わたし達は、双子の兄妹なんです。よろしくお願いします!」


「僕達は、お父様、お母様を選んで、三年後に生まれて来ます。よろしくお願いします!」


不思議な、息子を娘を名乗る少年少女。可愛いらしい、双子の兄妹なんだそうです。


そう言うと、いつの間にか、わたしの周りには誰もいません。






はっと気付くと、わたしは、いつものベットで寝ていました。


数時間後。わたしは、結婚して、同じ家に住み始めたリエール様とお話ししました。


ちょうど、今から朝食の時間。ゆっくりお話し出来て、良かったわ。


「リエール様。わたし、夢を見ました。可愛いらしい、双子の夢を。不思議な夢でした。」


「うん。その夢なら、僕も、見たよ!」


「まあ!本当に?リエール様も!?」


リエール様も、今日、あの夢を見たなんてっ!

こんな偶然って、あるのかしら?


昨日結婚したばかりで、不安もあったからかもしれませんね。


未来の息子と娘が、応援してくださるのなら、わたし、改めて、新婚生活、頑張ります………!


「本当に可愛いらしい双子の子達だったね。」


「ええ。リエール様に似た子と、私に似た子。昨日話していたのが、現実になって現れて来たような、可愛いらしい双子ちゃんでしたね。」


「これが本当であるのなら、どんなに良いか。君との息子なら、娘なら、大歓迎だよ?」


「ふふふ。ありがとうございます。なんだか、この夢は本当の真実のような気がしますね。」


「そうだね。不思議だけど、そう感じるよ。」







それから、3年後。


本当に、わたし達の間には、新しい命が。


春の陽気に包まれて、子どもが産まれました。


「ほ、本当に、あの夢は………!」


「ふふふ。双子って知った時も驚いたけれど、本当に、兄妹の組み合わせなのね………?」


「う、うん。そうだよ。双子の兄妹。」


そう、まさに、夢の通りに、双子の兄妹だ。


しかも、兄の方は、リエール様に似てて、妹の方は、どことなく、わたしに似ているような。


「リラン。可愛い双子を、ありがとう。」


「ふふふ。こちらこそ、双子のお父様になって下さって、ありがとうございます。」


若々しいお父さんとお母さんだけど、お母様や叔母様のちからを借りて、立派に育てるわね!


あなた達のお父さんは、とても優秀な人だからプレッシャーは感じるでしょうね。


けど、大丈夫よっ!信じて、ゆっくり焦らずに進んでいけば、道は、ちゃんと開けるわ!


「この子達は、男の子は、マイオン。女の子はユイン、と名付けよう。どうかな?」


「まあああ!とっても素敵な名前ねっ!」


我が王国の言葉で、マイオンは奇跡。ユインは夢という意味を持つ。


不思議な夢は、奇跡を産み落として、わたし達新婚夫婦に、幸せを運んでくれました。


「ふふふ。可愛い我が子達、私達のところに、産まれて来てくれて、ありがとう!マイオン。ユイン。これからもよろしくね?」


「うぁーぁう!」「ううぁーあ?」


「まるで返事したみたいね?」


「あははは。そうだな。」


偶然にしては………いえ、この子達は、夢の双子ちゃんと違って、赤ちゃんよ。


さすがに、お返事したわけでは……ないわよね?


「双子ちゃん可愛いらしいわね。リエール様、この子達を、大切に育てましょうね?」


「もちろん。 神様、奇跡を、ありがとう。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る