第10話  兄貴の話①(本物のゲーマーとは)

小噺を一つ


兄貴の話。


俺には兄貴が2つ年上の兄貴がいるんだ。


仲があんまり良くなくて、もう全然会ってないけど、


今回はそんな兄貴の話。


兄貴は趣味がゲームで、ゲームに対する愛がすごいんだ。


好きとかいうレベルじゃなくて、こよなく愛してる。


ゲームを仕事にすると純粋に遊べなくなるからって理由で


ゲーム会社への就職は考えなかった程のゲーマーだ。


今の時代がもう少し早く来てれば、プロゲーマーとかゲーム実況者とかに


なってたんじゃないかな。


まぁ、そんな彼がどれくらいすごいかという話が今回のテーマ。


①俺が中学生か高校生くらいの時のある日、なんだったか詳しく覚えてないけど、


ドリームキャストだか、セガサターンだか、とにかく家にゲーム機の無い


ゲームソフトが机の上に置いてあったんだよ。


で、「兄貴、これ何?ゲーム機ないけど、どしたん?」


って聞いたんだ。そしたら


「このゲームが○○円だったんだぜ。この値段だったらゲーム機なくても


即買いだろ。いつかゲーム機買ったらやるんだ」


っていう常人にはよく分からん理論で説明されてびびったわ。


多分洋服とか骨董品とかそんな感覚なんだろうね。


②俺が高校生で兄貴が大学生の時の話。


兄貴は京都の大学に行ってて一人暮らしをしてたんだ。


そんな兄貴が夏休みに帰ってくるって話を聞いて、俺はその日部活だかに


でかける予定だったから、俺が帰宅した時に合う事になるなぁって思ってた。


で、俺が帰宅すると兄貴はいなかったんだ。


「お母さん。兄貴は?」って聞いたんだ。


そしたら「プレステ2のメモリーカード忘れたから京都に取りに帰ったよ。」


だってさ。


俺の実家は三重県の下の方だぜ。ありえない情熱だって今でもそこは尊敬してるな。



そんな兄貴がいたおかげで、俺はゲームにハマることのない人生を歩んでる。


良いのか悪いのか分からんけど、40になっても50になっても


ずっとゲーム好きの兄貴でいて欲しいな。


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