MNから
「な!?表から襲撃!?まさか、忍隊か?いや、でもそんな派手なことを…。」
窓から外を見下ろして口を抑える。
道路には死体や血が散りばめられている。
パトカーも数台止まり、警察たちが騒いでいる。
「正面入口のガラスも割られ、監視カメラも破壊されています!」
「忍隊…、んな直接煽りに来たってのか!正々堂々勝負はする気無し、か。」
それならばこっちも考えはある。
死者を出すなら解らせてやらなければいけないだろう。
「もしもし、ターゲットをおさえたか?そいつを餌に忍隊を一人殺れ。絶対狙いにくる。狙撃しろ。いいな。」
よし、あっちも死者が出れば、お互いに警戒で動きにくくなるだろう。
煽り返しだ。
にしても、入口付近をパトカーやら死体やらで塞がれたのは痛い。
上と裏から出るしか…。
「リーダー!裏口と屋上のドアが歪んで開きません!壊しますか?」
「はぁ!?歪んだって…いつからだ!?」
「わかりません。ヘリを呼んでも、到着どころか姿も空に無く、裏口はパトカーによりどのみち塞がれてます。」
外に出させねぇつもりかよ!
だが地下通路はある。
ドアを破壊するしかないだろうし、ヘリはもしかしたら既に使い物にならなくされている可能性も十分ある。
それと、忍隊がやりそうなことといったら、俺達の中に紛れ込ませて悪さをさせていることか。
「地下通路を使え!屋上のドアを破壊!それから、俺様の中に敵が紛れ込んでいる可能性もある!」
「はい!」
地下通路に走り込めば、異臭が立ち込めていた。
これは、血の匂いだろう。
にしても血の匂いが強い。
ドアを開ければ、俺様の仲間が倒れている。
駆け寄ったがもう既に息は無かった。
「チッ。」
その舌打ちに顔を上げれば誰かが立っている。
忍装束!
「てめぇ…。」
銃を懐から取り出そうとしたところでいきなり走り出した。
「逃がすか!」
流石、足が速い。
銃で足を狙って撃つが得意なはずなのに全然当たらない。
全力疾走でも追いつけない。
そうこうしてたら地上への出口で、梯子で時間を稼げるかと思いきや地面に何かを投げて壁を蹴って素早く上がっていく。
俺が梯子に片足をかけたところで蓋を閉められた。
どんなに下から押し上げようとしても開かない。
「くそ!!してやられた!」
足元から煙幕が上がり始め、毒かもしれないので走って来た道を戻り、ドアを閉めた。
最悪だ。
「もしもし?殺ったか?」
このタイミングで電話がかかってきた。
「は?ターゲットが勝手に?で、その死体は!?」
内容は、ターゲットがいきなり倒れて血を流したらしい。
首に何か黒い物が刺さっており、多分死んだと。
そして死体が何か黒い渦に呑み込まれて消えた。
その付近に何者も確認出来なかった、ということだった。
「忍術か何かか…?くそ…スナイプにも気付いてたってことか!」
階段を登りドアを開けようとした時、悲鳴が響いた。
まさか!
ドアを開け放ち銃を構えた。
その部屋にいた多くの部下の姿が忽然と消えていた。
銃を構えたまま、物陰に潜んでいないか警戒しながら部屋を進む。
なんだよ、これ。
最悪だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます