MNから
丁度良さげな依頼が入ってこない、と思ったたようやく勝負にはいいんじゃないかってくらいの依頼が入った。
殺しの依頼で、ターゲットは十人。
多いけど、これくらいがいいかもしれない。
内容は、それだけじゃなくて、殺した事を証明するモノを何でもいいからちゃんと十人分持ち帰ることも。
何処にいるのかもわからないし、これから探して、尚且つ殺さなきゃいけない。
先手必勝!
リスト化する。
「このリストを回してくれ。リストに載ってる奴を殺してそれを証明するモノを持ち帰る。いいな!」
「わかりました。」
多分、あっちの忍隊は小規模で人員が少なかったはず。
この依頼と他の依頼やってたら進まないだろうし、不利になる。
取り敢えずこの依頼を忍隊に渡さなきゃ勝負にならない。
窓の外を大量の烏が飛び回っている。
どれがアイツの烏かわからない。
下手に渡せねぇよなぁ…。
と、遠くから黒い何かがこっちに真っ直ぐ飛んでくる。
なんだ?
目を凝らすとそれがやがて人の形をしているような…。
あ。
窓から一歩2歩下がる。
音もなく窓のふちに足をかけその片手には大きな黒い鳥。
「雑な訪問で悪いねぇ。で、ご依頼は来たかい?」
目を細めて、早くしろとばかりに。
そんな来方をするのかよ…。
「お、おう。これだ。」
書いている紙を差し出せば受け取り、器用に片手で四つ折りにし、口に加えた。
もう用はないというようにそれ以上は無く、窓のふちを蹴って飛び去った。
素早い…。
もしかして、アイツが一人で?
いや、んなわけない。
けど、アイツが依頼に入り込むんだろうとは思うけど。
忍隊の方の動きはちょくちょく遭遇した時に見てたけど、無駄無く素早くって感じだよな。
何度か獲物を奪われたっていうか、殺すターゲットを横からいいタイミングで殺されて、尚且つ死体を回収してった。
それも一人だったよな。
十人いて、殺すのに一人で充分らしいし、探すのに必死になって分散しても素手で殺すくらい造作もない奴らにとっては今回の勝負は簡単なのかもしれない。
なら、あの忍隊の動きを鈍らせるようなことを仕掛けてやらなきゃいけないってわけだ。
燃えてきたな。
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