第13話
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今日はついてない。運が悪かった。嫌な予感はよく当たる。
君も一度は思ったことがあるだろう。ないって?いやいやそんなことはない。
これはみなに平等だ。君だけ逃れるなんてできないんだよ。
君が人間ならね。人間は恐れる。
もし、恐れを感じない生物がいたら、これは通用しないんだろう。その時は僕の負けってことで。
でも君は人間だろう。いやでも想像してしまう。予期せぬことが起きてしまうのではないかと。例えば、そうだな…。
君が車に乗っているとしよう。高速道路を疾走している最中だ。
おっと、前の車が突然止まってしまったぞ。まあ、焦ることはない。ブレーキを思い切り踏めば、衝突は免れるだろう。
だが、とっさに君は考えてしまう。もしブレーキが効かなかったら…衝突事故をして、下手したら…
落ち着け。この場に限ってそんなこと…
起きるんだよな。
君はそのまま衝突だ。高速道路で急に止まった車両に後ろを走っていた車両が衝突しましたってな、朝のニュースにでも取り上げられるかもな。
まあ、バッドエンドってやつだ。
つまりなにが言いたいかって?
これは意識した時点で終いってこと。もしかしたら…、なんて想像したら、これはその通りになってしまう。
君には見えないだろうが、これはそこら中にあるんだ。形状はてんででたらめだ。
そこにある理由もわからない。
そんなことはどうでもいいんだが、これだけは覚えておいたほうがいいよ。
これは確かに存在する。そして君の理解が及ぶものではない。
な?危険だろう?
だから放っといてくれないかな。
さすがの僕でもこれを完全に操ることなんてできないんだ。君の命を奪う意思がなくたってそうはいかないんだよ。
………
そうかい。
君は勇敢だね。恐れるものはないってか?
ふふふ
その意気だよ。
でも、気を付けたほうがいいよ。
もしかしたら、もうすでに……
なんてね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます