海が見たい。ただ、それだけ。

とある山奥の集落には、『白羽の矢が立った家の子供を、ぬしさまに献上しなければならない』という風習があった。

そんな村に暮らす子供である主人公は、ずっと思い描いていた夢があった。
『海が見てみたい』

しかし村の人間は、ぬしさまの作った囲いの中からは出る事が出来ない。
そこで、子供は考えた。
村を出るにはどうしたらいいのか。

そして──

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日本の古い時代のお話のような童話のような、不思議で物悲しく、それでいてどこか怖い雰囲気が、この作品にはあります。

その子供がどうなったのか。
それは是非読んで確かめてみて下さい。