ベッドの軋む音で目が覚めた。隣にあったはずの温もりは、もう、無い。窓は紫と青の中間の色味で、微かに光っている。明け方とも夜ともいえない、微妙な時間帯だ。


彼は一つ大きなため息を吐いた。ため息と共に幸せが逃げるという迷信が本当ならば、今この部屋には彼のものだった幸せが充満していることだろう。それを誰かが拾って、束の間の幸せだとか、あぶく銭を手にするんだろう。社会は限りのあるものを平等に分配なんてしてはくれない。


朝が来る。隣には誰も居ない。せめて微かな温もりに身を寄せると、騙されたと思って、日が高くなるまで二度寝をきめこむことにした。

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しょーへんわんだぁらんど。 滋路 @Sudden_basal_gangliosis

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