伊邪那美命6
「みんな、大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。けがはない」「拙者も無事です」
「ウチも」「私も」
「
闇の中、そこに光の蝶が舞っていた。その光がゆっくりと歩く先に、淡い光が見えていた。
「忍法、日輪」
それは太陽のような力強い光を見せる、巨大な光の球だった。
視界が急に広がるものの、それ以上に闇は周囲を覆っている。巨大な闇の中に落とされた
それは、
巨大な樹木の怪物と、その横にいる
まさしくそれは、
しかも、別れたことにより、
それは巨大な蛇そのもの。いや、正確には大蛇の胴体に女の上半身を持つ怪物。しかも、その姿はすでに傷ついているようで、青い艶めかしい肢体を隠そうともせずに、ずるずるとそこでうごめいている。
見た目以上にその傷は結構深刻なのだろう。その動きは何故かそこで止まっていた。まるで、自ら体を割いた傷の痛みでうずくまるように。
だが、その隣にいるのは動きを見せる。それまで
ゆっくりと前に出てきて、その存在を見せつけていた。
「とりあえず、あっちが先だ!
「忍法、火蝶乱舞・極み」
二つの詠唱が響く中で、幻想的な蝶がその樹に群がるように飛んでいた。それは、火炎を
苦悶の声が響く中、ついに満身創痍の
その瞬間、そこにいる人々にすさまじい衝撃が襲っていた。
それはほんの片手の一振り。まさに、
一瞬で壊滅状態に陥る様を、
それまで堅牢だった
その嵐のような衝撃は、まさに全員の体を貫いていた。
「自分で回復を! 状態が解除された!」
痺れ切りした
その身を鋼にする
再び心頭滅却状態に入る
詠唱破棄の祝詞を捧げる
完全回復の準備に入る
そして、
凄まじい連撃の嵐は止まらない、自らの肉体の限界を超えているのがわかるほど、
「いける! あとは!」
「
それが
その瞬間、
だが、
その
それはさっき浴びた全員を巻き込むすさまじい攻撃。
もしそれが来たら……。
誰もがその恐怖を脳裏に浮かべていた。体はさっき浴びたその攻撃を思い出す。
そんな中、
その瞬間、
――お願い、武神さま。なにとぞ
その瞬間、闇を割く光の柱がそびえ立つ。それは、
一瞬にして、体が硬直した
「暗殺奥義・神魔滅殺」
今までいた位置からありえない速度で飛び上がった
青白い刀身が闇を割く。その瞬間の一閃が、闇そのものを深く鋭く、切り裂くように。
遅れて落ちる、
その瞬間、勝利が歓喜と共に舞い降りてきた。
天を覆う闇の中から、一筋の光が降り注ぐ。それは
全員が元いた場所に戻る中、
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