伊邪那美命4
眼が自然とそこに行ったのだろう。混乱はしているものの、自分と同じで術を攻撃の基本としているから気になってしまうに違いない。だからだろう、
だが、その事がかえって
複数の術を準備する敵に対して、
だが、今は状況が違う。
仮に、天狗一体を沈黙で止めたとしても、残りの一体が放つ術に
その事が、さらに
大鬼を前にして、己を鋼の体にしている
目の前でよみがえっている大鬼三体は、金棒を好き放題に振り下ろしていた。
ほんのわずかな時間でしかなかったが、その事が何倍にも加速して
術結界で術そのものを軽減する?
それとも一体でも沈黙で止めてしまうか?
その迷いの中にあった
その瞬間、
言葉こそなかったが、
――天狗の一体を
それまでの逡巡が嘘のように、確信を持った
一瞬の空白が、しっかりと天狗を沈黙状態に陥れていた。
それを身とどけ、すかさず術結界を唱える
そして、
*
一刻は混乱したものの、
だが、全ての状態が元に戻っている。まるで
その事を考えまいとする
だが、それを決して言葉に出さない。その間も、攻防が繰り返し続いていく。
ついにまた、戦いが終盤に差し掛かる。
「ねえ、あれって……、わざとよね? 何してるの?」
「さあ、わかりません。わざわざとどめを刺さなくても、そのまま焼け死ぬと思いますが……。でも、
その行動に疑問を抱きながらも、二人は別の事を強く意識していた。
また同じことが繰り返されるのではないかと。
そして、その涙は流れていく。時の流れを取り戻すかのように。
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