伊邪那美命3
雷鳴がと共に降り注ぐ雷の雨。それは、
だが、それぞれを包む光の幕が、雷と炎を微妙に逸らしていく。そして熱気の渦からは完全に守ってくれていた。
「ちっ、やってくれるじゃねーか!」
再び術の準備に入る天狗たち。
いくら術の効果を防ぐ術結界があったとしても、連続して放たれてしまっては結界自体も持たないし、何よりも体力の回復が間に合わない。攻撃を防いでいるとはいえ、
だから、
「
その瞬間、
「ありがてぇ!」
それにつられるように襲いくる鬼たち。
三体の大鬼を
だからだろう。
「単体回復、
詠唱破棄状態にある
それが何度も繰り返される。
だが、
その攻撃力は大鬼たちの比ではない。だから己の精神を限りなく高め、その周囲に不思議な結界を形成する
それはまさに気迫の鬼と言ってもいいだろう。
おそらく体力だけで考えると、
この二人が攻撃の全てを引き付けている間に、
度々沈黙状態を解除していく天狗の相手は完全に
それぞれの役割を有効に使い、連携して攻防を積み重ねる
いつしか残りは大鬼と天狗を駆逐して、あとは
「さあ、みんなもう一息よ!」
「ああ、あの人の子供たち……、あなた達まで私を拒絶するというのね……」
悲しみの涙が、
その瞬間、涙が光と変わり周囲を白く染め上げる。
いきなりのまぶしい光に、全員その眼を瞑って堪えている。だが、白い世界はゆっくりと元の色を取り戻す。
その光の爆発はそう長くは続かなかった。光が途切れたのを感じて、急ぎ眼を開ける
その瞬間、目の前には再び立ち上がった大鬼と天狗の姿があった。
「何!? どういう事!?」
事態を信じられない
「
混乱が行動を遅らせる。一瞬で起きたその光景を信じたくない気持ちもあるのだろう。立ち尽くすように無防備な姿を見せていたそれぞれに、理解を迫る声が聞こえる。
「戦闘開始直後だ! 急げ!」
再び
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