伊邪那美命1
「なんだか、とても悲しい所ね」
その中心に巨大な樹木を思わせるものがある。そびえ立つその樹の幹の真ん中に、樹の幹に捕らえられている女性の姿があった。体の上半分は見えているが、下半分は樹にうずもれている。
「
「おそらくな」
先頭にいる
おそらく、この
張り巡らされているような枝が、迷宮の壁に全て突き刺さっている。まるでその巨大な樹が、迷宮全体を支えているように。
そして、
「憎い……、憎い……、口惜しや……」
「お嬢、ダメだ。あの目はやばい。もう話し合いとか通じる相手じゃない」
「拙者もそう思います。お下がりください、
「みんな、こうなったら何としても
そこで一旦言葉を切った
「多分、アナタが鍵となる。アタシからとやかく言うつもりはないから、全員に指示をして。アナタが思うように戦ってちょうだい。ただし、何をするか出来るだけでいいから教えて頂戴。とにかく、アナタと
ゆっくりと頷く
「
「
身構える
「俺には記憶がない。ひょっとすると、オマエの親友を見殺しにしているのかもしれない。もし、そうなら俺はオマエの制裁を甘んじて受け入れる。だが、この戦いの時だけでいい。手を貸してくれ」
頭を下げる
「ふっ、ふーん。そう……。いいわ、分かった。手を貸してあげる。でも、この戦いだけだからね! これが終わったら調べるから! アンタが仇かどうか、じっくりいやって言う程ね!」
「あーっ、そういうことなら、私も参加するんだよ。いいよね、
顔をあげた
「ありがとう」
それだけ告げて、背を向ける
「仲良くなれて、よかったじゃない。いつの間にか、とっても親しくなれているのね」
「本当ですよ、
「よくわからないが、連携に問題はないと思う」
それだけ告げて、前に出る
「オマエも大変だな。この後が」
「
にやけ顔と、生真面目な顔が、そうして
「よくわからないが、
抜刀し、その瞳が真紅に変わる
「おいおい、今までは手を抜いてたのかよ……」
「まったく、底が見えぬ御仁よ」
並び立つ、
「よし、いくぞ!」
その瞬間、
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