大雷神3
その光の広がりが止んだ頃、
その光が最大に高まった瞬間、
そのまま
「豪雷天魔滅砕斬」
その瞬間、
一瞬何が起きたが分からない様子を見せた
「見事……」
それは一種の爆発に似たものだった。
その瞬間、それまで蓄えられていたその戦場の余波が、一気に周囲に広がっている。それと共に、土煙があたりの景色を覆い隠す。
濛々とした土煙が広がる中、一気に
その瞬間、誰もがおそらく油断していた。それは
その接近に気付かなかったのだから……。
*
それは一瞬の出来事だった。背後から黒い山がせり上がる。そこから声が聞こえた瞬間、断末魔の叫びも許されず、二人の男が姿を消す。
「ほう、
その声が聞こえた瞬間、晴れつつある土煙から巨大な金棒が大地に突き刺さっていた。その途中にあった二人の男と共に。
「
「クソ! こっちだ! 鬼ども!」
「気を付けてください。あれは、
土煙の中から現れたのは、三体の大鬼と四体の魔犬。三体の大鬼の全てが、その手に巨大な金棒をもっている。
「ふははは。知っておるぞ、こやつらの中には蘇生を試みる奴がおる。兄者、そいつからやってしまおう」
「ぐははは。それは良い考えだ、弟よ、妹よ。だが、この金棒で命を奪えば、常命の者は蘇生できぬ」
「ぬははは。それは兄者の物だけだ。ならば、ワシが潰したこ奴にも一撃を叩きこんでおけばよい」
「そうじゃな、そうじゃな。それがよい。それがよいぞ、兄者たち」
その中で、鬼はとても楽しそうに笑っていた。
「こっちだって言ってんだろ!」
この事は、全員が鬼に狙われることを物語る。この急遽できた戦いの場は、誰もが鬼の標的という同じ線の上に立っている。光の壁の前に立っていた、横一列に並んだ状態で。
「どれ、そろそろ行こうか、弟よ、妹よ。なんじゃ、この光の帯は? おい、弟よ、犬どもはどこに行った?」
「兄者、それがどうもいないようじゃ。何か知っておるか? 妹よ」
だが、その答えは帰ってこず、ただ周囲にうめき声が上がっているだけだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます