迷宮深部
幽鬼、鬼、妖怪、そして魔獣や幻獣といったものが徘徊する中、姿を消した一行が順調にそこに至る道を進んでいく。一度昇り、そして落ちる。また昇り、さらに落ちるといった繰り返しで、着実にその奥に進んでいた。中には
神経がすり減るような行軍は、肉体に多大な疲労を感じさせる。だからだろう。
「あー、これオレ無理だわ。絶対迷う。もう来ないと思うけど、次行ってこいって言われても無理だわ」
何度目かの安全地帯と言われて、休憩を提案した
「そうですな。難なく進む
「ふっ、君に自信持って言われても仕方がないんだけどね。でも、同意はするよ。さすが魅力的な女性は、魅力的な仕事をする。ますますお近づきになりたいものだ。地上に帰った時には、
「今どき牛車とは……。時代錯誤も甚だしい。馬に乗れずとも、
「何か拙僧の顔についているのか?」
「いや、なんでもない。僕の専門は卜占ではないからね。見間違いさ」
言葉を濁す
そして、二人はそれ以上何も言わずに結界の外を眺める。そこには様々な根の国の住人達が歩いていた。
*
「でも、
少し様子を見てくると言って、ひとり出掛けた
『一刻も早くここを出発したい』と顔には書いてある。それを見た
そもそも、
だが、『もう間もなく着くから。もし、戦いになった場合に備えて、英気を養うのは必要な事よ』という
そんな事を思い出したのだろう。さっきの微笑を真顔に戻し、
「
「アタシにしかできない事……。でも、アタシはまだ『武神降臨』も成功していない……」
沈む
「大丈夫。大丈夫ですよ」
そうにっこりとほほ笑むと、
「さぁ、皆様。もう間もなくです。ですが、
その宣言を皮切りに、それぞれがそれぞれの決意の顔になっていた。
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