黒雷神3
時に詠唱準備を行う陰陽師の術の数々、どうしても敵の注目を集めてしまう。だが、
作戦の時に
それはもう、意気揚々。嬉々として術の数々を繰り出している。一人悦に入る様は、隣にいる
「お主、そろそろ控えぬと狼どもが尻に噛みつきに来るぞ?」
「確かに、それもそうだ……」
準備をして、強大な術を放つ
だが、その全てを
「安心しろ、
おそらくそのやり取りが聞こえたのだろう。前にいる
「よし、任せた。僕の華麗な術を、その最前列で観賞したまえ! まったく!
そして、
だが、その中でも、
だからだろう、
「やるな、ニンゲン。我が一撃をもってしても倒せぬとは」
「拙者の気合を侮るものではない。『心頭を滅却すれば、火もまた涼し』の如しだ」
槍を己の前につきだし、さらに、
その
自己を回復させた
その瞬間、まるで吹き荒れる風が
一見ただの大声のように見えるが、それは聞く者の魂を揺さぶるような響きを持っていた。
大声の過ぎた後に、それは突如やってきた。恐怖と絶望を呼び起こすものが、心の奥から鎌首をもたげるように……。
必死に耐える
そしてもう一人。
ただ一人で、
脱兎のごとく駆けだす
それを視界の端に捕らえ、愉悦の笑みのまま
「
おそらく彼女も、恐怖から逃げ出したい気持ちに駆られていたに違いない。すでに逃げている二人同様、そうなってもおかしくはない状況だった。
だが、彼女はその瞬間を見たのだろう。
それにより、いったん心の奥から湧き起った絶望と恐怖を、彼女は振り払う事に成功する。皮肉にも、それ以上の絶望と恐怖が目の前に現れたことによって……。
だが、体はまだ自由に動かない。
そして、その刃は振り下ろされる。動けずにいる
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