青龍との戦い2
「
味方全員にかかる
「
「はい!」
その間も、
そんな中、人の発するものではない旋律が洞窟内をこだまする。その流れるような歌声の主は、青龍しかいないと誰もが理解できていた。
「やらせん!」
煙の充満する中、まだ距離のある
小さく切り裂かれた空間。その傷口を、刀が切り裂いた方向に伝えている。半月状に飛び出す小さな真空の刃が飛び出して、煙を切り裂きそこに飛び込む。切り裂かれた煙はたちまち元に戻り、その傷口はふさがれてしまう。
だが、その瞬間。
見えないながらも、煙の中から悲鳴が上がる。それは術が中断したと判断できるものだろう。だから、
「青龍!」
そのまま煙の中に突入する
「
二体の魚人の攻撃をはじき返した
「
再び襲ってきた魚人の三つ又の槍が
怯む魚人、その隙を
よろよろと後退する魚人たち。だが、状況は全く好転していなかった。
「
悲痛な声と共に、己の弓を煙の中に放つ
旋律は、時に激しく、時に優しく洞窟内に響いている。だが、徐々に荒々しくなっていく。さながら激流のように。
焦る
個人を回復する術は、味方全体を回復する術と違い、個人を目で見る必要がある。頭を振る
煙の中、流れるような旋律が終局を迎えようとする刹那。
そこにいる誰もの頭にその言葉が響いていた。それは頭の中に直接語りかけるもの。青龍の思念が、そこにいる全ての者たちに語りかける。
「愚かなり、人間ども。我、東方を守護する龍神なり。不遜な行いは死をもって贖うもの。すべてを押し流す激流に飲み込まれ、己の罪と共に滅びよ」
明らかに愉悦の感情をその言葉にのせている青龍。その思念が告げた通り、
その始まりは、ほんの小さな水の塊だった。
しかし、周りから一気に水が集まり始め、やがてそれは巨大な水球へと変化を遂げていく。すでに
その大きさが増すたびに、荒ぶる水球はゆっくりと上昇を始めている。
「くそ! どこだ!」
煙の中、
苦しげに放った居合の刃が、その場所にある煙を切り裂いていく。だが、充満した煙にとって、その傷はたやすく塞げるものだった。
それは繰り返された中で起きた、ほんの一瞬の出来事。
多分、その光景は
にわかに上がった咆哮と共に、巨大な水球は一機に膨れ上がっていく。
――その瞬間。頭上で炸裂した水球は、膨大な水を生み出す。
その流れが、
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