青龍との戦い3
青龍の術が生み出した水球は、膨大な水を供給する源としての役割を持っていた。そこから発生する激流が、その場にある全てのものを巻き込み、押し流す。あまりに膨大な水の量とその勢いは、そこに生きるものを許さぬ場を作り出す。
それが青龍の術の正体。だが、それは不完全なままに終わっていた。
術の完成と思われた瞬間、突如破裂する水球。そこに蓄えられた水は、確かに
拡散した衝撃は、青龍のいる小部屋の煙まで、どこかに押し出すほどの力があった。だが、当然押し流す水の力はほとんどなく、ただそこにいる者たちの衣装が濡れただけとなっていた。
そう、不完全な術の効果は、全身がずぶ濡れになった不快感だけをその爪痕として残していた。
「
少しだけ残っている煙と暗闇の中にいる
そう、青龍が術を完成する瞬間、確かに
しかし、
ただ、青龍の術が止まったことは事実。それは誰かが止めたという事を意味している。
それは、この場にいる誰もが理解していることだろう。だから、その立役者は
そして
「
「
おそらく
だが、
炸裂した水球さえ目もくれず、ずぶ濡れのまま気にもせず、ほとんど見えない中で、ただ
だから、誰よりも早く見つけていた。そして、誰よりも早く術を行使し、その後名前を呼んでいた。
すでにその部屋の煙はほとんど消えかけている。だが、光源のないその部屋の中は、再びもとの暗闇に包まれている。それでも、
それは青白い光が描く軌跡の先にある、刹那の時が見せていた。
再び術を唱えようとしている竜人――
ただ、
そして、
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