玄武を倒した者達
更に前に歩きだす巨漢の僧兵。その豪胆な性格を示すかのように、
放り投げる度に、衆目を集めだす
薄い笑いが、その僧兵の顔に浮かんでいる。
「
それは今まであまり目にしない、
だが、当の
「騒がしいな。小僧。お美しい母上殿は
「オマエのせいだぜ!
なだらかな坂を、勢いがつくままに駆け降りる
戦いを予感して、邪魔に思ったに違いない。無造作に後ろにいた女武芸者へと放り投げていた。
慌てて身を投げだし、かろうじて受け取る女武芸者。何とか受け止めたことに、安堵の息をついていた。
だが、
その瞬間、彼女は素早くその集団の中にいる一人の男を見つける。
そこには、
女武芸者の目は、瞬時にその男の存在を捉えていた。そして、もう一人。
その姿を見つけて前に出てきた者がそこにいた。
別々の場所にいた二人は、それぞれの標的を見つけて同時に叫ぶ。全く別の感情をこめて。
「
「アンタ、ここにおったんか! 覚悟しいや!
驚き、目を見開いた
「まこと、
もし、宝珠を受け取るために伏せたままの姿でなかったなら、きっと駆け寄っていたに違いない。
だが、今はその姿勢のままでいた。むしろ、顔を下げている。その顔を繕うために。
そして、
「卑怯者! ウチから逃げられると思いなや!」
「忍法、火蝶乱舞」
素早く結んだ印から放たれたその術は、確実にその効果を見せている。なぜかそこで呆然と立ち尽くす
それは幻想的なまでに舞い踊る蝶。だが、その姿は火炎を
「
その炎に負けないような憎悪の炎をたぎらせた女忍者。その声が告げるのは、争いの幕開け。
それを彩り形作るは、女忍者が放った術。
そう、その術にただ焼かれる
それと同時に、もう一つの争いの鐘が鳴り響く。
打ちあう二つの衝撃は、瞬く間にその草原を駆け抜けていた。
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