玄武と戦う者達
まるで島のような生き物と表現するのがいいだろう。巨大な亀と巨大な蛇が互いの体をからませている。二つで一つの個体を形成しているのか、体から離れないままなのかわからないが、互いに連携して攻撃や防御を繰り出していた。
それを相手にするのは、巨漢の僧兵。
その姿はまさしく
それを難なく振るう巨漢の僧兵。
しかも、この戦いの趨勢は、火を見るより明らかだった。すでに満身創痍の
そして、盆地のようにくぼんだ土地の中央にいる
巨漢の僧兵が繰り出した渾身の一撃が、この戦いが終わることを告げていた。大きく振りかぶったその刃。その重量と力をのせた一撃が、
頭部からの指示を失った
ただ、それだけではなかった。それとほぼ同時に起きた炎の渦と雷の雨。その威力はすさまじく、
それはまさに絶好の瞬間と言えるのだろう。無防備をさらけ出す蛇の頭がそこにある。
だが、それを見逃す者はその場にはいなかった。高く飛び上がった武芸者の一撃が、
力なく、ついに大地に崩れ落ちる
だが、僧兵は追撃の手を休めなかった。そのまま亀の頭を切り落とすと、続けて四肢を順に切り落としていく。固い甲羅の部分を残し、そこから出ている部分を徹底的に切り刻んでいた。
大地に沈んだはずの
その容赦のない行為と返り血を浴びても気にせず振るう刃。僧兵の仲間達は、ただ黙って見守っていた。
だが、やがてそれも終わる。僧兵の力をもってしても、固い甲羅は切り刻めなかった現実に、彼はひと蹴りを入れて背を向ける。
死してなおその偉大な力を残している
それが不満だったのか、やがて蛇の頭が銜えていた水晶球を手にした僧兵が、戦い足りなさそうな顔を浮かべて戻っていた。
その時、僧兵はようやくその存在に気が付いたのだろう。ゆっくりと
なだらかな丘の上に立つのは二人。様子を見るために先頭にでた
いきなり大声を出す僧兵。あまりに大きなその声は、草原の彼方まで行きわたるかのようだった。
「ずいぶん遅かったな、朋読神社の娘。久しぶりじゃな、
手にした
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