青龍との戦い7
「アナタの治療が先。
傷だらけの
「――礼を言う。では、行く――」「だから、待つって言ってるでしょ!」
再び駆けだそうとする
「痺れの解けた青龍が、再び術を唱えるために距離をとる。その前に仕留めなくては」
自らに制限を課せられることが不思議な様子で、
しかし、それでも彼女はその手に力を込めていた。
「アナタ一人で戦ってんじゃないの。周りと協力して。少しでいいから、アタシ達を頼って。仲間なの。アタシ達を信頼して」
「――わかった。術止めをしろとの指示だったが、今から支援に徹する」
切り出した言葉を受け止めて、彼は自らを掴む手をそっと外す。短く一言添えた後、
「クズ、リュウ……、大極破は
「失敬だな、君は! 人の名前を途中で切るなんて。僕の名前は
「そんなことはどうでもいい。急ぐことだ、質問に答えてもらおう」
「どうでもよくはない! 覚えろ、
「なら、二回溜めて
「何故そこで切る! くそ! 馬鹿の相手はしてられない。僕は君の指図は受けないよ。でも、せっかくだ。この僕の華麗な大極破を見せてやろうじゃないか!」
さっきまでの機嫌の悪さはどこかに消え失せ、
陰陽師の使う大極破は、効果が大きいが準備に時間がかかる。だから、めったなことでは使えない。だが、その効果は絶大とされている。周囲の力を集めた分だけ強い力を行使できるその術は、陰陽師が使う術の中でも、もっとも強い術の一つに数えられている。だから、この場でそれが披露できる高揚感が、
「よし、そこの密教僧。そこで倒れているでかい竜人に蘇生不可だ。青龍は必ず自分の盾になるものを蘇生してくる。万が一、俺の術止めが間に合わなくても、それで何とかなる。そのあとは俺がなんとかする。とどめはクズリュウ大極破できまる」
それだけを言い残し、
その瞬間、小部屋の煙が拡散する。瞬く間に煙に包まれる一行。
まるで突風が吹き荒れるように、周囲に煙を振りまいていた。おそらく警戒したのだろう。一瞬にして、立ち止まる
広場中に煙が拡散し、やがてそれも消えていく。陰陽師と密教僧の詠唱が続く中、つづけて小部屋に飛び込んだ
それは、
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