青龍との戦い8
ほのかな明かりが、揺れる世界を形作る。まだ水がたまったその場所で、無残な屍となっている竜人たち。それは落下した青龍によるものだけではなく、無残に切り刻まれたあともあった。
「どこだ? どこに消えた?」
それらを見ながらも、
だが、動くものがないこの場所に、青龍と
当然のように、
そこには上へと伸びる空間が広がっていた。
そして、見上げた先にあったもの。それは間違いなく天井部分。岩肌は小部屋と同じで光源は見当たらない。だが、そこには少し明かりがある。
丁度横穴がそこにあることを示すように、そこにもあの
「くそ! あっちか!」
そう叫んでみたものの、
「
「大丈夫ですか?」
中の様子が気になったのだろう。小部屋からそう離れていない所まで近づく
だが、
「
退避する
ちょうどその少し前。二人の頭上で起きた出来事。それは、上の横穴から飛び出した
青龍の繰り出す尾の攻撃を、紙一重で躱す
当然、
それがまさに
落下する岩に押しつぶされないように逃げる二人。飛び込むように広場に回避したことで、かろうじて難を避けていた。だが、その分無様な姿となっている。しかし、それを笑うものは一人もいない。
その小部屋に降り注ぐ岩の雨を目撃したのだから。
次々と落ちてくる数多くの岩が、水しぶきを上げてその小部屋の一部となっていく。それと共に、光がその部屋を照らしだす。おそらく天井部分が崩落したのだろう。さっきまで暗かったそこは、洞窟の中で一番明るい場所に変わっていた。
そして、落ちてきたのは岩だけではなかった。
屈辱の雄叫びと共に再び上がる地響きは、そこに落ちてきたものの正体を告げている。少なからず残っていた水をまきあげ、落ちてきた青龍がその姿を全員に見せつける。
切り裂かれた部分から血を流し、息も絶え絶えな青龍の姿を。
だが、青龍は落ちたままそこから動かなかった。そして、それは
まだ体勢を立て直していなかった
瞬時にそう判断したのだろう。
だが、青龍は動かない。いや、動こうとしているが動けないようだった。
「クズ、今だ!」
その瞬間、小部屋から飛び出た影。その影が飛び出しながら、冷静にそう告げていた。
しかも、その影は周囲の状況を素早く見て取り、素早く
その姿を忌々しそうに見つめる
今、この洞窟に響く音は、青龍にとって都合のいいものではない。だが、しびれたままで動けない青龍は、それをどうすることもできずにいた。
ただ、憎悪の瞳を
しかし、やはり青龍の力は侮れない。時間がかかったものの、小部屋の中で自分の麻痺状態を解除する青龍。だが、その顔を再び上げた瞬間。
「見せてやろう! これが僕の力だ! 大極破!」
その声と共に、瞬時に
一瞬、全ての光が飲み込まれ、陰陽大極図が光を放つ。それと同時に、青龍を包む八卦陣から幾千の光の柱が立ち上っていた。
やがてその光は中心部分に集まり始める。光が収束していくその中心には、苦痛にのたうちまわす青龍の姿があった。
だが、それもすぐに終わる。
一瞬の爆発のあとに続く轟音と土煙。
やがてそれは、訪れた静寂と良好な視界へと入れ替わっていく。
差し込む太陽の光が墓標となる。
それを見た
「任務完了」
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