新たな仲間4
酒場のすべての視線が、
間違いなくその中心にいる
「では、その方は陰陽師の
「なるほど、それは短くていいな! おい、クズ! うん、言いやすいぜ、嬢ちゃん! それに決まりだな! おい、聞いてるか少年? オマエもちゃんと覚えておけよ!
陰陽師の扇子を握る手が、微妙に細かく震えている。その顔は長い黒髪に隠れて見えないが、きっと怒りの色に染まっている事だろう。それと共に、剣呑な空気が酒場全体に満ちていく。その空気を感じとったのだろう。全ての人たちが、彼らのテーブルから急ぎ離れる。
「ほれ、お主がいらぬ事を言うからよ。まずは、
そう言いつつ、自らは後ろに退いて、
彼の目の前には今、怒りに我を忘れつつある陰陽師と、それに無防備な背を見せる
「きさ……ま……ら……。言うに……、言うに事欠いて……。この僕を……、愚弄するとは!」
自らの怒りを必死に抑えつつ、扇子を捨てた陰陽師の手が、その腰に素早く引き込まれる。
しかし、その動きを察知した
柄を持つ手に、
たまらず柄から手を離す陰陽師。だが、
「ほれ、もうよさぬか。お主も目的があっての事。大事の前の小事というではないか? このような場所での術を行使すれば、
悔しそうか痛みかわからないが、陰陽師の顔は歪んでいる。だが、その物騒な視線を所構わず向けていた。
その目の前に、静かに
その隣には、
ただ、
「
「さあ、どうかしら? 根の国に行ったけど、『そこで役に立ちませんでした』って事がなければいいのだけど? そして、それはアナタも同じよ、僧兵さん。なんだか、アナタがこの人たき付けた感じがするのよね、アタシ」
下衆なものを見るような視線を、
「だから、アタシはアナタ達を――」
「荒ぶる四神討伐で見定めるのよね? それはいい考えだと思うわよ。お互いの為にね」
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