出会いの酒場3
ただ、その内容が気にくわなかったに違いない。立ち上がった
「
「はい。言いました。身近に立派な武士がいると、ついつい比較してみてしまいます。だから、文句は仕方がないでしょう。ですが、私は彼らに文句があるだけです。
攻撃的な視線を放つ
両脇にいる少女が火花を散らしているにもかかわらず、
その場を何とか抑えようとするも、
進展しない空気に、ついに
「まあ、それくらいにしなされ、二人共。とりあえず、拙者の謝罪を受け入れてくだされ」
「そんな事、もういいって言ってるでしょ!」
「そうです、
なおも言い争う二人から、同時に自らの謝罪を『どうでもいい』と言われた
その顔に、『あきらめろ』という文字を読んだのだろう。
「それはそうと、お嬢。そいつ、本当に連れて行くのか?」
突然、酒を飲む手を止めた
自分を見つめる三人の顔を見回した
そこにいる人物。漆黒の忍び装束に身を包んだ少年。
あれだけの
話題の渦中に置かれ、こうして
自分からは何も言わず、何もしようとしない。ただ、聞かれたことに返答するだけで、まるで置物のようにじっとしている。そんな少年の姿をしばらく見つめた後、
そこには順に『その返事はいかに?』と、『その答えはわかっている』と、『一応聞いてみただけだ』という顔が座っていた。
「連れて行くも何も、
堂々と見渡すその顔は、驚く武士の顔と『思った通り』だと言わんばかりの二つの笑みで迎えられる。
そして、彼女の脇で、彼女を見上げる紺碧の瞳。
その奥には、とても誇らしげな表情をした
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