微笑みガール

多国籍アイドルになりたい！

叶の部屋でダラダラ過ごしている三人。

「ねぇ～叶、うち、四人組の多国籍アイドルをやりたい夢があるんだ」

「へぇー、いいんじゃない」

「じゃあ、今から日本公演の再現するね！」

「え？」

「うちが故郷に錦を飾ってMCね」

「じゃあ！愛理、裏方手伝うね～」

「ちょっと待って！私付いていけない！」

「スタート！」

テレビのリモコンを、マイクに見立てる結衣。

「みんな～今日は来てくれて、ありがとう！」

「始まっちゃったよ・・・」

「思えば、ここまで長い道のりでした」

「苦労したのね」

「メンバー同士の衝突」

「まぁ、文化とか違うからね」

「何他人の振りしてるの！貴方達の事よ、イヴォンヌ、ジェワナ」

笑いを誘う結衣。

「イヴォンヌ、ジェワナ、何処の国の子だろう？」

「そんな時、いつも止めてくれたわねトリーシャ」

「トリーシャ・・・何人だろう？」

「アフリカ人三人、日本人一人のデコボコチームだったけど、手を繋いでここまで来れまし」

「ちょちょ、ちょっと待って！こういうのは韓国人中心のグループに外国人が入るんじゃないの！？ベースがアフリカ人！？」

「そう、褐色の中に紛れる黄色いたんぽぽよ」

「じゃあ、聴いてください！ラブアンドピース！」

歌い出す結衣。

端の方で愛理が音響の指揮をとっている。

急にダラダラし出す結衣。

「結衣！何ダラダラしてるの！？」

「あぁ、自分のパート以外はダラけて良いのよ。

アフリカ〝コッチは〟このスタイルなの」

「カルチャーショックよ」

タバコに見立てた、ポッキーを咥える結衣。

「タバコ！？」

端の愛理が結衣に手を振る。

「次、結衣さんの番ですよ！！！」

「いっけね、忘れてた！」

急いで前に出て、咥えたタバコを、かかとで消す。

「ラブアンド！ピ～ス♪」

「どんなラブアンドピースだ！？」

「どうよ、完璧でしょ？」

「まずは、タバコ辞める所から始めましょうか」