いってきます。

昨日、家出少女と出会った。

俺は誘拐犯と脅され渋々家に泊める事にした。

「おはようございます。隆太さん」

今日の所は代わりの布団が無く毛布だけ貸してソファで寝さした。

「おはよ。朝ごはんはパンでいいか」

「はい、いいですよ」

冷蔵庫からベーコンと卵を取り出しその間にパンをトーストにする。

ベーコンをカリッとなるまでフライパンで炒めフライパンに残ったベーコンの油で溶き卵を入れスクランブルエッグを作る。

「サラダもいるか?」

「はい、お願いします」

トマトを一口大に切りキュウリもおんなじ様に切る。

ボウルに切ったトマトと、キュウリを移す。

それにツナを加える。

塩を軽く振り混ぜる。

サラダを作り終えるとちょうどトーストができていた。

皿に移し完成だ。

「一言いいですか」

「ん?何」

驚いた様な顔で言ってくる。

「料理できたんですね」

「まぁな」

小さい頃から姉のために作り続けてきたんだ。

このぐらい朝飯まえだ。

「隆太さんご両親は?」

「神戸にいる」

「なんで一緒じゃないんですか」

「今の学校は寮制で最初は入っていたんだが色々厳しくてな。つまんないから親を説得したんだ。それで今のアパートにするんでるんだ」

寮は朝起きる時間とか掃除を毎朝するとかめんどくさかった。

自分のしたい時にするってのが一番良いんだよ。

「隆太さんの家で良かったかもしれません」

「やっぱ一人暮らしってところか」

「それもそうですが隆太さんの優しい所とかですかね」

俺は照れ臭くなりうつむきパンを食べる。

そういやそろそろ学校行かないと。

「俺学校行ってくるから、食器とか水につけとけよ。テレビとか好きに観ていいしお昼ご飯も準備しといたからレンジであっためてから食べなよ」

手を振りながら色々言うがあわあわしながら全く覚えてる気配がないこいつ。

べつにいいけどさ。

「じゃあな」

「いってらっしゃい」

「いってきます!」

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