クリエイターならば知っておきたい雑学【ありがとう20000PV】

65. エッッッなシナリオの練習の仕方

　美少女ゲームのシナリオ執筆を生業としていた私ですが。

　ディープな沼までハマる機会は無いとしても、物書きとして濡れ場、お色気シーンを手がける必要性に、今後、あなたにも迫られるかもしれません。

　ということで、テーマはセクシーなシーンを執筆する練習方法について。

　・かつて執筆歴０年だった私が

　・この方法をたった半年～１年間実践したことで

　・美少女ゲーム業界への入職を決めることができた

　なんか雑誌の健康器具の通販広告に載ってそうな文言っぽい、

　でも、実際に成功した方法のご紹介です。

　※　この文章はエッチなテキストを書けるようになる方法を紹介しますが、子供には見せられないようなムフフな文章は殆どありません。

　そもそも、大半の人間は、母国語――日本人なら日本語を、学校で学ばずとも自然としゃべれるようになります。なぜでしょうか？

　おそらくは、周りの人――お母さんやお父さんが、日本語を話しているから。

　物心がつく前から、日本語のシャワーを浴びているから、わざわざ学習机に向かわずとも、自ずと日本語を耳から学べるのでしょう。

　言語の習得の一番の近道は、その言語漬けの生活をすること。

　セクシー系の文章も例外ではないのでしょう。が、ここで一つの壁にぶちあたります。

　「日常的に猥談をしていたら、セクハラじゃん」

　「卑猥な言葉ばかりを使う環境にいることは、難しい」

　健全で常識的な生活を送るにあたって、ムフフな言葉の使用は命取り。

　だから、意図的に＆プライベートの時間に、こっそりシャワーを浴びる時間をつくる。日常生活と切り分けて、セクシーシーンに使われるような卑語・淫語に触れる機会を用意する必要があります。そこで、STEP1、

【STEP1】

・セクシーシーンのあるゲーム・小説等（私の場合は美少女ゲームだった）を複数用意する。最低、３作品欲しい。ジャンルや文体の難しさはそれぞれ違った方が良い。

・１日１時間、用意したゲーム・小説の該当シーンをWardなどを使って模写する。

・とにかく毎日やる。模写する作品は３作品でローテーションして入れかえる。

・模写元が飽きたら、違うゲーム・小説と入れかえてもいいよ。

　絵画などもそうでしょうが、芸術の習得は模倣から始まります。

　小説・シナリオも同じこと。

　私の場合、これを半年間ほど続ければあら不思議、

　「時間をかければなんとか、オリジナルのえっちぃシーンを書けるように」

　なったのです。

　肝心なのは、３作品（以上）の作品を入れかえて模写することでしょうか。

　模倣したものを自分の作品として世に出すことは盗作にあたり犯罪ですが、外に出さなければ無罪。

　様々な作品の作風に触れることで知識がミックスされ、自分色の基礎力が身につく。エッチぃシーンの組み立て方や、エッチぃ表現をその場でビルドできるだけの、えろろーんな語彙力が育ってゆくのです。

　例えば、男・女のセックスアピールできるボディパーツについて。

　実践の場から離れて５年以上たった、私の腕はさび付いてしまいましたが、それでも上記のテーマであれば、今でもこの場で数十パターン出せる自信があります。

　なぜならこの手の表現には、ある程度の法則やコツがある。

　複数のコツをミックスすれば、オリジナル表現としてリビルドできるためです。

　「クレバス」「オーバーハングしている」これはロッククライミングする岩山や雪山の険しさと、バストの豊かさを重ねている比喩表現――。

　これは私が、他作品からラーニングした表現です。私が初発ではありません。

　私には山登りの経験がないため、他者の力が無ければこの表現方法にはたどり着けなかったでしょう。一方、「雪山に例えればいいんだ」という知見を得たので今後は、

　・マッターホルン

　・今にもこぼれて雪崩がおきそう

　・双子の山

　という、新しい表現を自身で提案することができます。

　「双子」「双」という漢字は具謡的なバストの形を連想させる便利な語であるため、さらにここから造語・表現が作り出せることでしょう。　

　・二連の山々

　・双球

　・双つのサッカーボール

　またSTEP1の期間と合わせて、エロ単語帳をWardで作るのも良いと思います。

　官能小説に使われている語の辞典というのも市販されていますが、自作すると自身の用途に合わせてカスタマイズできるのが良い。

　「あ、こんなバストの表現があるんだ。じゃあ、俺ならこうしよう」

　と、ただ模倣するだけではなく、新しい着想のきっかけにもなります。（※１）（※２）

【STEP2】

・土日などの休みに自作のエッチぃ文章を書く機会を１時間追加でもうける。

　さて、STEP1を続けると、それなりのえっちぃ語彙力が身についてきます。

　そこで、STEP2。STEP1をしっかりやっていれば、えろろーんな単語が自身の脳から引っ張り出せるようになっているはず。後は、それを自然と文章に組み込む力。

　発想の脳神経回路を強化し、スピーディに文章をしたためるのを目標に、実践的なセクシーシーンの執筆に邁進してください。(※３)

　私などは本格的なシナリオ執筆の経験がない状況から、１年弱【STEP1】～【STEP2】を実践。その短期間を経て美少女ゲーム業界に入職できました。

　その分、シナリオライターとしての基礎が乏しく（特に執筆速度面で）、プロになってから地獄を見るわけですが。それでも無才の私がプロの端くれになれたわけですから。

　即効性のある学習法ではないかなと思います。

■ 今日のまとめ ■

・芸術は模倣からはじまる。

・３作品以上のえっちぃ作品から毎日１時間模写し続けよう。（STEP1）

・複数の作品から模倣し、学びが融合することで、盗作ではない自分の表現ができる土台が生まれるよ。

・後は休みの日とかに１時間、頑張ってエロ作品を執筆するのじゃ。（STEP2）

（※１）

　かつて漫画家の松本零士さんが、「時間は夢を裏切らない、夢も時間を裏切ってはならない」という言い回しについて自身に権利があり、似た言い回しを使っている楽曲の歌詞について、裁判を起こす事例がありました。（2006～2009年頃）

　後に和解していますが、ここまで長文・特徴的な文章を引用すると、争いになる可能性があります。

　言い換えれば、散発的に少数の単語を引用するのはＯＫそう。という仮説も浮かびます。

　常識の範囲内で活用してください。ということで。

（※２）

　本文では省略しましたが、ただ彙力のアップ以外でも、

　・エロ単語だけでなくエロ構文も習得できる

　・媒体特有の最適な文章構造を学べる

　というメリットがあります。

（※３）

　プロとして通用する速度の目安としては、１か月で200KB＝10万文字が最低ラインでしょうか？　（※４）

　仮に１か月で実働日が20日とすると、１日10KB。

　１日５時間執筆に割けるとすると、１時間で２KB=1000文字書ける必要があります。

　ゲーム画面の体裁だと、２KBのシナリオ＝20～40クリック分程度でしょうか。

　【STEP2】の目標としては２KBを書ききるとするといいかもしれません。

（※４）　200KB

　この場合、テキストデータ（.txt）での200KBを指します。

　ワード(.docや.docx)だともっと容量が大きく膨らむので、10万文字といった文字数でカウントしてください。